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テーマ:F1ニュース・レース(2364)
カテゴリ:フォーミュラ1
スパフランコルシャン、モンツア、鈴鹿サ-キットと後半戦が始まって、すぐにクラシカルコースが続く。苦手の筈だった スパフランコルシャンで トロロッソ・ホンダは2台とも、完走し、1台は周回遅れにもならず ポイント獲得まで行った。
モンツアと鈴鹿の間には シンガポールとソチが入るが、パワーユニットには高負荷のコースの連続。クラシカルコースはハードブレーキングが少なく、デプロイが続かない。 ソチもデプロイが続かない様に思えるが、ハードブレーキングコーナーが多いので、回生切れを心配しなくてよい。 スパフランコルシャンはラスルスとバスストップ、モンツアは1コーナーのシケイン、鈴鹿はヘアピンとシケインが回生するためのコーナーになり、SOKの効率が求められる。 この話は、開幕前 田辺TDが言ってたように、クラシカルコースは、今のPUにとって、エネルギー的に厳しいコースであり、また垂直方向の重力がスパと鈴鹿は、過去にはPUケースにクラックがはいったこともあるくらいに重力の高負荷になるので、その対策も必要となると話している。 現場では眉間のしわが消えない本橋正充。 本橋正充チーフによると 「カレンダー上で最もパワフルなサーキットと言えるスパとモンツァでは、マシンの信頼性を高めることが非常に重要になります。スパにはロングストレート、モンツァには多くのストレートセクションがありますから。我々は特に前半戦のアゼルバイジャンでのレースを通して多くのことを学びました。ロングストレートではオーバーテイクされてしまいましたが、その原因の一つは、回生で得たパワーをサーキットのどの場所で効率的に使用するかという、エネルギーマネジメントの戦略にありました。そのため、その後のエネルギーマネジメントを改善していくにあたり、そのレースの中で得られた教訓は非常に大きなものでした。アゼルバイジャンのロングストレートはカレンダー最長で、距離だけで言えばスパを上回りますが、スパはスパでエンジンの全開率がラップを通して非常に高いので、エネルギーマネジメントも含めたパワーユニット性能がレースのキーとなります」 スパ・フランコルシャンには、ターン1にあるヘアピンコーナーのラ・スルスからストレートエンドのレ・コームまで、25秒フルスロットルで走行するセクションがある。その中に難所のオー・ルージュ(、そしてラディオンがあり、マシンには強烈な垂直Gがかかる。バクーにも同じようにエンジン全開で走行するセクションが配置されていても、中盤にスパのようなコーナーはない。また最終セクションもブランシモンを含む、高速セクションがあり、PUの負荷を下げるばしょがない」 「エネルギーマネジメントは各トラックで最速のタイムを出すために最適化していきますが、同時にレース中の状況も考えなければなりません。レースの中でオーバーテイクが多いロングストレートではエネルギーマネジメントがキーとなりますが、それらのバランスを最適化することは非常に難しいんです」 「2つのサーキットはそれぞれ異なる特徴をもっているので、どちらがより難しいかは決め難いですね。ロングストレートでのエンジン全開走行は、燃焼室だけでなく、ドライブトレーン(エンジンで生み出した動力をタイヤに伝達する一連の機構)の温度上昇にもつながります。モンツァは典型的なストップ&ゴーのサーキットですから、マシンの信頼性をキープするのが難しいんです」 「例えば、気温が高い環境でマシンを使用する場合です。フルスロットルで走って急ブレーキをかけ、またフルスロットルでの走行を繰り返していると、冷却する時間がほとんどありません。その結果、エンジン内の温度上昇が徐々に進んでいってしまいます」 「スパのロングストレートがパワーユニットにとって過酷なのは間違いありませんが、そのあとに控える短いストレートや長いコーナーなどでエンジンを冷却することができます。このように、パワーユニットの観点から見ても2つのトラックは異なるキャラクターを持っています」 「エンジン全開で走行すればするほど、パワーユニットの信頼性に影響が出ます。エンジンが高温化すれば、ノッキングが起きる可能性も高くなりますし、特にストレートの出口でうまくエンジンをコントロールできるようにしなくてはなりません。内燃機関エンジン(ICE)を損傷させてしまうことにもなりかねませんからね」 「ですから、もちろんダイナモでそうした状況を想定してのテストも行っています。テストの際には、バクーのロングストレートで収集したデータを基にしていますね。ダイナモでは、全てのサーキットを想定したシミュレーションを行うことができます。例えば、シリンダー圧によるダメージをチェックしたい場合は、ストレートで走行しているのと同じ環境をダイナモで作り出します。そうしたテスト中は、パワーユニットは高速サーキットを走行しているときと同じような音を出しています」 「エネルギー回生システム(ERS)の一部であるラジエーターやヒートエクスチェンジャーは冷却に使用するのはもちろんですが、それだけでなくパワーマネジメントにも関わるコンポーネントです。ときには意図的にエネルギーの蓄積や放出の量を減少させたりしますが、それは内燃機関とERSの関係性に似ているとも言えます」 「当然ですが、ボディワークにより大きな開口部を作れば、ラップタイムに大幅な影響が出てしまいます。スパやモンツァのようなハイスピードサーキットでは特にその影響が顕著です。ですから、我々は開発の段階から高温化の回避と対処について研究を重ねてきています」 カレンダーの中で特に大きな人気を博しているスパ・フランコルシャンとモンツァ。マシン、そしてパワーユニットにとって過酷な試練が課されるこの2つのトラックで結果を残すことは、チームにとって大きな達成感を得られることを意味する。数多くのテストや準備を重ねているので、困難なこの2レースに向けても本橋は特に大きな懸念はしていないと言う。 「我々はすでに、何度も過酷なサーキットで戦ってきましたからね! ハンガリーでのエキサイティングなレース、バーレーンでの驚き、そしてエネルギーマネジメントに苦慮し、最も過酷な戦いを強いられたアゼルバイジャンなど、さまざまなレースを経験してきました。その中でエネルギーマネジメント、燃料やノッキング現象について多くのことを学ぶことができたんです。スパ、そしてモンツァに挑むにあたってすばらしいテストになっていると感じています」 田辺TDは 「モンツアはトロロッソにとっての最重要レースです。10年前<2008ベッテル初優勝>の歓喜をもう一度再現したいという気持ちは持っていますが、現実 ポイント獲得がギリギリのところだと思います。 2台ともポイントが獲れるように、セッティングを詰めていきたいと思います」と語った。
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Last updated
2018.08.30 17:31:25
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