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テーマ:F1ニュース・レース(2364)
カテゴリ:フォーミュラ1
スーパーフォーミュラの2019プレテスト、鈴鹿エンジンメーカー・ルーキーテストが行われた12/5の昼頃にサーキットに姿を現したレッドブルF1のチーフテクニカルオフィサー“空力の魔術師”エイドリアン・ニューウェイ。 息子のハリソンがルーキーテストでスーパーフォーミュラを初ドライブするため急遽来場したようだが、サーキットに到着してからの行動があまりにも天才すぎて、チーム側、そしてメディアの話題となった。 サーキットに到着するとすぐ、2時間B-Max Racing Teamのピットでスーパーフォーミュラマシンを克明に観察し、メモ用紙に書き込む。実際の開発でも3D-CADが主流であるのに対し、現在でも未だにドラフターに向かって図面を引くという話が現実の様に、紙とペンを離さず、観察しては書き込む姿が頻繁に見られた。 走行が始まってからは、ヘッドセットを装着し、サインガードへ出た。無線を通じて何か指示を出していたようで、走行後にチームから聞いたが、セットアップの変更について意見を出していたらしい。 そして、セッションが終わった後はチームのミーティングに参加して、空力調整だけでなく車体のセットアップやチームのやり方についても意見を述べたようで、息子ハリソンが一足先にホテルに戻っていったが、夜10時過ぎまで走行データを解析してチームにアドバイスをした。 ニューウェイのデータ解析能力は、B-Maxのチームスタッフ全員が驚嘆したという。 間近でこの様子を見ていた 本山哲は「もう何年も このSF14を見て触って来たかのような動きで、セットアップも方向性を切り替える素早さには驚かされました。またそれが、ピタッと決まってるんですよ」と話した。 そんな、誰もが驚く行動をするニューウェイに、スーパーフォーミュラの印象やレッドブル・ホンダの2019年ニューマシンの進捗状況について聞いた。 「まず、このクルマSF14はとても速いね。コーナリングは、F1に近いということで、とても印象的だ。それにこのカテゴリーもいいシリーズだとピエール(ガスリー)からも聞いている。多くのヨーロッパのドライバーが、自分を磨くのに適したカテゴリーだと認識しているし、私も今回、日本に来ることができて満足しているよ」と、まずはスーパーフォーミュラの好印象を語る。 「もちろん、このカテゴリーのことは知っていたし、レースがあるたびに情報は得ていた。それに、息子がニック・キャシディと友だちだから、彼からもいろいろな話を聞いている。FIA F2と同様にとてもいい環境だし、息子にとっても、いい機会だと思う」 「F1直下のカテゴリーとしては、この選手権はトップに位置する選手権のひとつだと思う。(まだ来年のことは決まっていないけど)息子のハリソンも、来年、もちろんこのカテゴリーで走りたいと望んでいるし、ものすごく期待しているよ」とニューウェイは続ける。 「クルマ自体ということで見た場合、スーパーフォーミュラSF14の方がFIA F2よりもいいクルマだしF1に近い環境だ。まず何よりも、SFの方が重量がうんと軽い。それに、より大きなダウンフォースを発生させられると思う。そしてヨコハマタイヤはグリップがより安定している。それらを合わせて、より良いパッケージになっていると思う」 「自信を持って言えるのは、SFとFIA F2をサーキットで戦わせたら、SFの方が速いっていうことだね。それにラップタイムだけでなく、SFではドライバーがすぐに学習に入ることができる。より安定したタイヤとより大きなダウンフォースを経験することで、F1に向けての準備ができると思う」 「もし、SFでトップレベルで戦えるまでになったら、マニュファクチャラーにも認められて、プロのドライバーになることができるだろう。お金を払って乗ることはなくなる。でも、FIA F2の場合は、それは不可能だ。FIA F2に乗ろうと思ったら、誰でも多額の資金を持ち込むことが必要なんだ」と、次から次へとマシンについて話すニューウェイ。 クルマを見ながらメモを取っていた内容については、「チームと仕事をしていく上で、パフォーマンスを上げられる可能性があるちょっとしたことだよ。このクルマはホモロゲートされているから、F1と比べたらできることは限られる。だけど、僕が長年モーターレーシングで培ってきた経験を、チームが仕事を進める上で少し役立てられればと思ってね」 「昨夜は、たしかにチームとともに夜の10時頃までサーキットにいて、セットアップについての話をした。そして実際、今朝はセットアップの変更もしている。その結果、クルマが良くなっていたなら嬉しいね。B-Max Racing teamとドイツから来たモトパークの新しいコラボレーションは始まったばかりだし、最良の結果を引き出すために、両方のチームの専門家のノウハウをうまく活かしていかなければならない」 「ルーカス・アウアーも僕の息子のハリソンも、ここではルーキードライバーだ。クルマの最大限を引き出すために、彼らはこのクルマをどうやって運転するかということやコースについて学ばなければならない。特に、日本のコースに対しての知識がないわけだから、コースを知ることがもっとも重要なことのひとつだ。昨日からテストを見ていて、このシリーズはとてもコンペティティブだと思うし、何人もいいドライバーがいる。だからこそ、もしハリソンとルーカスが、ここで力を見せることができれば、彼らはドライバーとしてハイレベルだということになるよね」とニューウェイ。 そしてやはり日本のモータースポーツファンとして気になるところは、来年、2019年から始まるレッドブル・ホンダのニューマシンの手応えだ。 「それは来年3月のメルボルンで話してあげられると思うよ(笑)。僕らシャシーサイドにすると、今、何かを話すということはできないんだ。この何年か、僕らのシャシーは良かったけど、このオフの間に大きなレギュレーション変更がある。フロントウィングやフロントのブレーキダクト、バージボードに関して変更が行われるのだ。その部分はマシンのダウンフォースに重要なエリアなので、ものすごく重要な変更だ。小さなことのように聞こえるけど、本当に大きな変更なんだよ」 「レギュレーションの変更があった時はいつもそうだけど、ライバルと比べて、それに対して上手く対応できているか、あるいはできていないかというのは、走り出すまで分からない。最初のレースに行ってみないと、ハッキリしないんだ。ただ、ルノーからホンダにパワーユニットが変わることになり、ホンダの人たちと働けることに対して、とてもワクワクしているっていうことは言えるね」 「ホンダの人たちはとても情熱があって、仕事熱心で、僕たちの目から見てもパワーユニットはレースごとにとてもよく進化して来ている。だから、僕らはきっと上手くいくと信じているよ」 「最終的にシャシーとパワーユニットの両方があって、初めてひとつのパッケージだから、どうやってエンジンを据え付けるのが一番いいのか、ドライバビリティや特徴はどうなのか、またシミュレーションをして、ホンダがどういうシャシーの特徴を求めているか、お互いにの理解を深め合っている。すでにとてもいい関係を築けていると思うよ。この先もさらに良くなっていくということに対して、自信を持っているよ」と締めた。
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Last updated
2018.12.09 23:39:15
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