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テーマ:F1ニュース・レース(2364)
カテゴリ:フォーミュラ1
スクーデリア・フェラーリは5月13日(水)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者のための新しい人工呼吸器「FI5」を発表した。新型肺炎の影響で春に前倒しされた強制シャットダウン期間を消化しながらも、マラネッロは僅か5週間で考案・設計・製造の各工程を終えて新型の人工呼吸器のプロトタイプを作り上げた。 フェラーリが本拠を置くエミリア=ロマーニャ州は、新型コロナウイルスによる最も大きな打撃を受けている地域の一つであり、スクーデリアは1,000万ユーロと150台の人工呼吸器をイタリア市民保護局に寄付し、更にはマラネッロのファクトリーを転用して、人工呼吸器のバルブや保護マスク用の接続部品の生産を行っている。 3月21日にイタリア技術研究所(IIT)から人工呼吸器の共同開発の要請を受けたフェラーリは、F1マシンのシャシーエンジニアリング責任者を務めるシモーネ・レスタと、F1イノベーションマネージャーのコラード・オノラートを責任者とするワーキンググループを立ち上げてプロジェクトに着手した。 このプロジェクトはコードネームFI5と命名された。これはマラネッロのブランド名(Ferrari)とジェノバにある研究機関「IIT」の頭文字から付けられたもので、数字は白紙状態から完璧に機能するプロトタイプの完成までにかかった週数を示している。 IITでサイエンティフィック・ディレクターを務めるジョルジオ・メッタ教授はFI5のビデオ発表会の中で「迅速な開発のために、以前連絡した事のあったフェラーリに打診した。彼らは我々が必要としているスキル、すなわち流体力学を知るエンジニアを抱えており、呼吸器の設計を助けてくれる可能性があったからだ。僅か5週間の作業でプロトタイプを作り上げる事ができたのは目覚ましい成果だ」と語った。 コラード・オノラートは開発におけるフェラーリの貢献を次のように説明する。 「いくつかの分野で貢献できた。まずは様々な条件での動的シミュレーションからスタートさせ、基本的には、内部のあらゆるコンポーネント、空圧および機械的なコンポーネントを含むモデリングの大部分を担当し、最終的にCNC(コンピュータ数値制御モデリング)によるカスタムコンポーネントの製造もサポートした」 「フェラーリとしてこのプロジェクトに提供した貢献は魔法のようだ。これは我々が持つF1のDNAによる賜物だと思う」 スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表もコラード・オノラートの意見に賛同する。ビノット代表は「我々はCOVID-19を巡る状況に対して何か貢献できる事はないかと考えていた。FI5はスクーデリアとしての貢献だ。F1チームが持つ能力、更にはフェラーリを特別な存在にしている情熱や創造性、向上心の現れだ」と述べた。 フェラーリは本プロジェクトにおける役割について、追加的なコンサルティングを除く全てのタスクが完了したことを明らかにした。現時点ではFI5が量産される計画はないようだが、プロジェクトはオープンソース化され三条項BSDライセンスの元でGitHubで公開されており、無料で使用することができる。 フェラーリはFI5について、信頼性および汎用性が高く、組み立ても容易だとしており、現在販売されている人工呼吸器よりも低コストかつ入手しやすい材料で製造出来るとしている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.05.16 22:07:06
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