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カテゴリ:内装屋さん
衣食住。
住まいの関係を商いにしているが、50年続く仕事はあるのだろうか? 創業が江戸時代である会社もあるが、今同じことをしているわけではもちろんない。 わが社も自分で立ち上げたが、おじいさんの代は、井草を商いしていた。 親父は昭和11年生まれで、高卒後に上京。親戚のカーテン屋で修行して、名古屋に帰り、自分で店を始めた。 名古屋では5本の指に入る老舗。 まだサッシ窓も普及せず、白黒TVも家庭に少なかった時代。 その時代全盛の映画館の前の一等地に店舗を借りていたが、夜12時まで客足が途絶えなったという店売りの時代。 今の自分はどうだろうか? 子供につないでいける仕事だろうか?とふと考える。 ずっと家で働いている親を見て育ち、サラリーマンは自分の働いている姿が見えないから嫌だと思っていた。 デザイン課の高校を卒業してインテリアの会社に入り、6年勤めたあと、同じように東京で、クロス職人の修行。 名古屋に帰ってきて、今の会社を始めた。 サラリーマン時代と修行していた時代はバブルで、職人も派手であった。 東京の会社も職人が20人ほどいて、毎日忙しかった。 直ぐにはできないが、こんな形でやったらいけるかな?と思い、名古屋で始めたが、時代は終わっていた。 自分も含めて3人で始めた会社も7人になり、10階建てのマンションも自社で施工できるくらいの仕事力はあったが、大きな仕事をやるほど赤字という時代になった。 東海豪雨をきっかけに職人はすべて外注にして、自社施工は自分だけにした。 同時にネットによる通販も始めた。 利益率は改善されていった。 去年から通販の強化でスタッフを入れた。 朝晩のメールの確認や発注業務など任せられるので、自身の仕事は楽になった。 しかし、売り上げは伸びず、工事の利益を回している状態。 5年ほど前はまだ商売ベースになっている建材屋は少なく、自社を入れても数件だったが、今は10件以上ある。また、ネット世界は価格の競争が激しい。 成長期が終わり過渡期に入り始めたところか?もっとネット通販の購買層が広がりを見せるといいが、飽和状態なのか? 今の状態を続けていては先がわかってしまうので、通販を発展させながら次の一手を考えていかなくてはならない。 今の時代工事部を強化しても赤字の連鎖だ。 通販を発展させたいのだが、通販だけで自立できていないので、自分は施工を進めていくというジレンマがある。 子供が成人したときに仕事を継ぐかどうかは本人の自由だが、継ぎたいと思ってもらえる会社にしたい。 親父の考えは成人するまでは面倒見るが後は自分だという考えだ。 サラリーマンを育てるならそれでいいが、人として立派になる人を育てたいという考え方で、親父は育ててくれた。自営している私にはそれなら、少し足りない気が今の自分はしている。 未だに親に対して反骨心でやっているのだが、足りない何かが最近見えてきた。 継承だ。 親父は仕事の上で善いことも悪いことも経験しているはずだが、殆ど継がずにやっている。創業者スピリッツは大切な心構えのひとつだが、私の12年の仕事ぶりを振り返るとまったく創業者だ。 得意先や仕入先がほしいといっているのではなく、問題が起きた時の対処方法を自分で考えて、成否もわからずやっている。アドバイスは、外部の知人からのみである。 反骨精神もいいが、若貴親子を見ていると考えてしまう。 サラリーマンの兄貴と決して仲は悪くないが、親父の仕事を継いだと世間は見ている点では似ている。貴乃花には一代年寄のプライドもある。 しかし、名伯楽といわれた親父のようにまだ人が育っていない。 自分も会社を立派にして子供に後が継ぎたいと言わせたい。 親父からカーテン屋の時代は終わったから後は自分で考えろと放り出された自分のようにならないように・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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