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テーマ:仕事しごとシゴト(23612)
カテゴリ:写経の勧め
◆「真言」の修行法
『般若心経』で述べられている「空」の思想は、思想として勉強するためのものではなく、「観」の瞑想をするための指針です。 『般若心経』は後半部で「真言(呪文・マントラ)」を称えて紹介しています。 具体的な説明はしていませんが、「般若波羅蜜多」の修行は「真言」を繰り返し唱える「念誦法」と呼ばれる方法で行う修行なのです。 しかし、「真言」を唱えるからといって密教ではありません。 智慧を得て解脱するためには「観」の瞑想を行うのですが、深い智慧を得るためには、まず、何か一つのものだけに集中し続けて、言葉による認識のない状態でその対象との一体化を目指す「止」の瞑想が必要なのです。 小乗仏教でも、まず、呼吸など40種類の対象(四十業処)に集中する「止」を行ってから「観」に移ります。 「止」を行う際、集中する対象を指す言葉を繰り返し唱えながらその対象に集中することもあります。 例えば、呼吸に集中する場合は、「息を吸った、息を吐いた」と繰り返し唱えます。 これに対して『般若心経』が説いている「般若波羅蜜多」の瞑想法は、「真言」を繰り返して唱えてそれ自身に集中する方法でしょう。 まず、「真言」を唱えながら心を「真言」に集中し一体化します。 その後、おそらく「真言」を唱え続けながらも、自分が体験していることや外界の存在などの現実を対象にして観察します。 日常的な主観を排除して、『般若心経』で述べられている「空」の教説に沿って、自分がそれらに対して妄想や執着を持っているけれども、実際にはそれらが存在しないこと、つまり、「法」も含めてすべては「空」であると理解します。 十分に分析をし尽くすと、やがては言葉で認識しようとすることがなくなり、直観的にあるがままを認識する「空」の智慧が生じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年12月30日 08時42分37秒
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