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カテゴリ:豆知識 法律 土地家屋
昨日、京都地裁で、賃貸住宅の「更新料」の支払いを義務づけた契約は消費者契約法に違反して無効であるという判決が出ました。
同時に、同判決では、入居時保証金35万円の返還も認めました。 この判決は、更新料や礼金という慣行に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。 現在の借地借家法や判例を斟酌すると、確かに更新料というのは不思議な制度でありましょう。 賃料の度重なる不払いや用法義務違反などがなければ、原則として賃貸人は更新を拒絶できないことになっているので、「更新の対価」と考えるには無理があります。 このような慣行がまかり通ってきた背景として、賃貸人は「大家さん」という強い立場にある人だという日本人の法意識があるのでしょう。 マンションや家の賃貸業者が、不動産のレンタルサービス業という意識を持って「お客さま」に対するきめ細かなサービスを提供すれば、他の同業者と差別化できてたくさんの顧客を得ることができたのではないかと思っています。 だからといって、更新料や礼金が全て無効となってしまうと、おそらく賃料が上がってしまうというユーザーにとっても嬉しくない結果になってしまうでしょう。 あくまで私案ではありますが、入居時に入居期間を合意しておいて、それを過ぎた場合にのみ「更新料」を支払う、という契約が望ましいのではないかと思っています。 勤め人の転勤などの場合、住んでいる期間のおおよその目処はつくでしょうし、学生がアパートを借りる場合も4年~6年くらいという目処がたちます。 期間内に退去すれば更新料は不要だけど、当初合意の期間を賃貸人の事情で引き延ばす場合は、賃借人が次の借り手を予め探すなどの事前準備を反故にしてしまうことから、更新料という補償をするのです。 学生が4年間住むつもりで借りたアパートなのにちょうど半分の2年で更新料を払わなければならない、3年間の地方勤務なのに2年たったら更新料を払わなければならない、というような運用はいずれ見直されるべきでしょう。 そうすれば、賃料は安く抑えつつも、退去の時期の目処がつくことから新規入居者の募集もかけやすくなり、賃貸人のリスクも減らすことができるのではないでしょうか。 繰り返しになりますが、賃貸人や管理会社は「大家さん」意識をはやく捨て去るべきでしょう。 私自身も現在「賃貸生活」ですが、転居前の管理会社も今の管理会社も、レンタルサービスなどとはほど遠いと実感することがよくあります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月25日 08時23分28秒
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