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テーマ:真空管アンプを作ろう!(897)
カテゴリ:真空管プリアンプ
個人的に音楽性豊かだと感じている回路方式に、
プレートグリッド帰還(PG帰還)がある。 拙パワーアンプにも、音質調整の隠し味として使われている方式。 また、メインで使用しているプリアンプの回路方式でもある。 何で音楽性豊かなのかは解らんが(^^ゞ、 リリース予定のプリアンプは是非ともこの回路の音楽性を 楽しんで頂けるようにと、というのが製作の発端。 PG帰還型プリアンプは、6AK5(三結)、12AU7、6N23P、E88CCと 製作して楽しんできたが、どれも伸びやかに音楽を奏でるところが良い♪ 電源電圧やプレート抵抗値などそれぞれ違うのに、不思議である。 それに共通するのは、電源は定電圧化していること。 回路構成上、プレート抵抗からカップリングコンデンサを介して 出力を取るので、AC電源の変動がモロ響く。 ドリフトを防ぐために、電源の安定化は必須と考えている。 一番自然な感じの音質がシャントレギュレータで、 次点が無帰還方式のシリーズレギュレータ。 この無帰還方式も、拙アンプでよく使用している方式である。 今回リリースのプリアンプはエントリーモデルということもあり、 シリーズレギュレータで行くことに。 だからと言って手抜きはせず、しっかりと設計することにする。 シリーズレギュレータにしろシャントレギュレータにしろ、 基準電圧源というのが必須である。 この電圧源にローノイズのツェナーダイオードを使うか、 基準電圧IC(TL431など)を使うかで性能は勿論、音も変わる。 基準電圧ICはカチッとした端正な音、ツェナーはやや奔放な印象かな。 モニター的な基準電圧ICよりも、今回はツェナーで行くことに。 ツェナーで行くもう一つの要因が、ノイズ特性である。 下図は、今回採用のローノイズツェナーのノイズ特性。 これと競った基準電圧ICであるLM4040-5.0は、 バンドが10-10kHzでノイズ電圧が80uVと桁違いに多い。 基準電圧ICは安定度や低インピーダンスが何よりも魅力だが、 ツェナーには定電流を流すことにより安定度を向上させることに。 電流は1mA弱を流すのでこのデータよりも若干ノイズは増えるが、 フィルタを挿入してノイズが増幅されないように手を打つ。 今回のローノイズツェナーは、5V付近のを採用した。 データを確認したところ、トランジスタのベースエミッタ間の温度特性を 考慮すると、温度補償のダイオードを組み込めば安定度が向上しそう。 また、ツェナーは6V以上だとノイズが急激に増えるので、5V以下に。 このプリアンプの設計は、殆ど電源部の設計に終始そうである。 それだけ電源は重要! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 29, 2020 05:57:57 PM
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