残雪期の恵那山 2,191mを最難関の前宮ルートから登る 上級編
さぁ今日はいよいよ、恵那山を前宮ルートから登山するよ。高速夜行バスは予定よりやや早く、中津川ICに到着。予約してあるタクシーの時刻まで余裕があるので、トイレで出すもん出したり、朝食のバナナとメンチカツパンを頂く。そうしているうちに、タクシーが到着。運ちゃん、こんな時間にマジ感謝するよ、ホント有難とーm(__)m前宮ルートから登る登山者は、拙が初めてという。登山道は荒れているだろうな・・。恵那山神社までタクシーで向かう。運賃は¥4,460-なり。神社の駐車場で、いつもよりも入念にストレッチを行う。登山の安全を祈願し、お参りもしよう。立派な神社だな~!神社で心を清め、さぁ登山が始まるよー!すぐに出現するゲートをくぐる。ゲートを超えてすぐ、テンだ!毛並みが夏模様になりつつあるよ。すばしっこくて激写かなわず・・。ゲートから1kmほど上流へ進むと、前方に『恵那山 登山口』の大きな道標。随分と目立つ、立派な道標だなぁ。どれどれ、橋は・・。無情にも流されてるべ。こんなこったと予想して、道中渡渉用にと木の枝をストック用にと拾っといたよ。まずは川の状況を確認し、どのルートで渡渉するか決める。捨て縄を張らなくても渡れそうだ。渡渉では、上流から斜めに下流へと向かうのが基本。距離を短縮しようと、決して川に対して垂直に進んではいけない。急流だと足を取られやすく、転倒したり流されたりと非常に危険だ。トレランシューズはザックに細引きで縛り付け、ソックスはポケットに。素足でいざ、渡渉開始!!雪代で川の水が冷えっ冷え、凍り付きそうだよ。水深は膝くらいと浅い。拾った枝で深みがないか川底を探りながら、慎重に歩を進める。渡渉中、足元をパチリ☆渡渉は1分もかからず、無事に対岸にたどり着く。30年ぶりの渡渉だが、当時の感覚は鈍ってないな。脚を乾かし、足元の装備を整え急登に挑む。対岸にも立派な道標だ。5:57と予定より10分ほどの遅れ。杉の樹林帯のひっそりとする登山道で、踏み跡はやや薄い。次の渡渉点まで、トラバース気味に向きを変えながら高度を上げるので、地図とコンパスで逐一現在地を確認しながら進む。沢の音が聞こえ、前方に滝が見える。渡渉点は近いぞ。ピンクテープと登山道の道標。ここは道迷いしやすいだろう。対岸へ渡渉し、その先の尾根に取りつく重要なポイント。渡渉点だよ。サクッと渡れ、シューズが少し濡れる程度で済む。ここから急登が始まるよ。朽ちた樹の幹が、コケにびっしりと覆われているのを発見。ホラー的だ('Д')尾根筋は荒れ放題。国土地理院15,000分の1地図では、尾根上に登山道がある。ひょっとしたら、尾根の南北どちらかに正規ルートがあるのかも。尾根北側の古そうなルートを進む。次第に険しさが増し、左側は急斜面で滑落したらマジ危険、遭難レベル。オラ、こんな道イヤだ、こんな道イヤだ~~っ!!尾根へ出るだ~!尾根筋目指して山腹を進むぞ、倒木激しいが何のその!急登で足場が悪く、難儀するも先ほどの遭難しそうな道に比べればマシだ。緩やかな場所に着き、尾根筋を上方から。更に高度を上げると、登山道の標識じゃんかよ。尾根の南側が正規ルートの様だ。拙が進んだ尾根筋には、黄色のテープが張ってあったような形跡が。今回もルートをちょっくら外してもうたよ・・。まだまだ読みが浅いな。暫くして、五合目の標識。この時点で真ん中か・・、なんて安心はできぬぞ。実は恵那山て、前宮登山道だと二十合目まであるんだべ!!ガクッ・・('Д')そろそろ15,000分の1地図が切れる。25,000分の1地図に取り換えて、前宮登山道全体図を確認しながら進もう。汗ばんできているから、防寒着のソフトシェルも脱ぐ。ザック背面にくくってしまえ。ウールの長袖シャツの袖をまくり、前ボタンも4つ外す。無風に近いからちょうど良い。五合目にはベンチが一つあるから、ザックを下ろして今日初めての休憩をとる。ただ今6:47か。2分ほど休憩しながら麦茶を飲み、さぁ登山再開だよ。この先、左がスパッと切れているルート。数日前の雨で足元が滑りそうだ!でも安心されたし、反対側にエスケープルートがあるのだ。そのルートが↓九十九折りのやや急登だ。笹生い茂る杉の樹林帯の中、急登を地道に進み高度を更に上げる。五合目から20分少し登り続け、視界が開けつつある。薄暗い登山道を登り続け1時間半、ようやく青空にありつける♪さぁ天空に向けてまだまだ登るよー!その先に枯れた大木。前宮登山道では名の知れた大木らしい。急登はまだまだ続くよ、どこまでも。ちょっと足を止め、息を整えよう。汗をかき過ぎると体が冷えて危険だからね。汗びっしょりにならないようにせんと。登山再開してすぐ、笹藪の中から『ウ~~~ッ』と低い唸り声!咄嗟に刃渡り16.5cmのハンティングナイフを取り出し、付近の枯れ木をスパインで思いっきり叩く。『オラッ、クマ公!目ン玉ブッ刺してやるぞっ!!出てこいや!!!』殺気満々で大声で怒鳴る。↑大声はクマ公を興奮させるので、安全に逃げたい人は絶対にしないよう!ガチ戦闘態勢で、そこいらじゅうの枯れ木を力いっぱい叩きながら、たまに後ろを振り返りながら進む。クマ公は背後から襲う習性があるからな。ランボーさながら、暫しナイフ片手に急登をこなす。中の小屋跡に到着。ただ今7:33。ナイフで枯れ木叩きまくっての急登の後だから、だいぶ汗ばんでる。体からモワモワと湯気が立ち上っているよ。有難いことにベンチがあるのでナイフを枯れ枝にブッ刺し、ザックを下ろして息を整えよう。発汗がやや激しいのでウールのシャツを脱ぎ、インナーとタートルネックシャツのみになり涼む。アミノ酸たっぷりのゼリー飲料で、栄養もしっかりと補給しよう。傍らに不動名王像。数分しっかり休憩し、ウールの長袖シャツを再び着こむ。執念深いクマ公ならこの休憩中に襲ってくるはずだが、その気配は無し。目血走らせながら登って来たから、恐れをなしたか??ナイフはシースにしまおう。不動明王様に手を合わせて、これからの山行をお祈りと、この場のお礼を。まだまだ先は長いよ~。笹生い茂る急登をこなし、さきの場から10分ほどで展望が開けつつある。更に高度を上げると、中津川市街が。素晴らしい眺めだ♪こちらは濃尾平野方面。8:04、空峠に到着だべ。予定より1時間21分早いよ。ちょくちょく休憩を入れてのこのタイム、上出来じゃないか!(^^)!標高は1,801mで三角点がある。恵那山頂が眼前に。登山は佳境に入りつつあるよ。北方が開けるポイントにて。御嶽山(おんたけさん)だ!ズームで。この日本百名山もマジでかっけぇなー!標高は3,067mと、登り甲斐がありそう。木曽駒で見て再び、惚れたぜこの山!!是非とも今年、最難関のルート探して登ったるべ!十三合目、という事はあと35%だね。物見というからには、絶景ポイントなのだろう。どれどれ。御嶽山とその右奥に、あれは乗鞍岳だろう。再び中津川市街。既に雲よりも高い所にいるね。山頂は見えるが、あと3kmはありそう。ここは巨岩を乗り越える、というか巻く。微笑んでいるように見える、役行者像。空八丁、標高は1,950mの記憶。天に向かうかの如く、急登は続くイメージだね。再び濃尾平野方面。笹原の稜線。ハァハァ・・、ちょっくら休憩だべ。空気が若干薄いのも影響してんのか、情けねぇなー。倒木に腰掛け、よいこらしょ。前宮登山道、マジで登り応え抜群だ、大バカもん尾根の称号を与えよう!恵那山頂、少し近付く。あと2.5km、それともまだ2.5km。あなたはどっち?拙は前者。標高2,000m付近から、雪がちらほら。鹿(多分ニホンジカ)の足跡だろう。ここで80%の標高。そろそろ、チェーンスパイクとアルパインゲーターを装着した方が良さそう。アルパインゲーターの装着、自宅で練習しといたのだがちょっと難儀。数分かかってしまったよ。目標は1分以内だ。樹林帯の中だが、稜線を横切る風は麓と違い肌を刺す。防寒着を羽織ろう。さぁ、雪道をガンガン歩くよ~。登山道は雪に覆われ、ルートが不明瞭となる場所が多いから、迷わないよう地図で確認。こんな急登も、チェーンスパイクのおかげで難なくクリア。気温は0度付近だろうから、雪が締まってて歩きやすいというのもある。途中、一ノ宮なる社があり、そこでもお参り。そうして2171分岐(神坂峠への分岐)だ。ただ今9:28、予定より1時間半以上早い到着だ。良いねぇ♪あの雲の向こうに、伊吹山があるはず。静まり返る雪山を、サクッ・・サクッと踏みしめる音が心地良い。赤い屋根・・、小屋だ、恵那山山頂小屋だぞ!回り込んで正面からパチリ☆毎度おなじみ、小屋チェックのお時間。お~~、ここも掃除が行き届いてて奇麗だ。薪ストーブ、渋いぜ。避難小屋裏の岩場を登ると好展望とあるので、迷わず登ったるべ。9:49、岩場に到達。そうしてブログ冒頭の絶景が広がる。すげぇーー、南アルプス全座見渡せるぞ。一番南の光岳(てかりだけ)から、北の北岳や仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳まで。圧巻の光景だよ~!(^^)!実際目にしたら、感動もんだよ。文章で表現しきれんのが残念だ。こちらは中央アルプス北部の、空木岳(うつぎだけ)と木曽駒ケ岳方面。木曽駒、つい2023年の秋に登ったんだよなぁ。権現づるね、懐かしいよ。こちらは南アルプス南部、光岳方面。そうだ、この岩場から富士山が見えるんだよ。ひょっこり頭のお富士がこんにちは。こちらは、帰りの高速バスに乗る飯田市街。岩場で少々ケツが痛むが、南アルプスを眺めながら、お昼のカレーパンを頂こう。予報では午後から雲が広がるとあり、その前に絶景を満喫だ。ガス男はお休みだね、今日の登山はツイてるよ(^^♪しかも、今まで一人の登山者と会っていないんだ。この景色を独り占めとは、何て贅沢なんだろう。ただ今10:01、しっかりと南アルプスの雄姿を心に刻み、恵那山頂の標識を目指そう。小屋の先にある、立派なトイレ。中を拝見するの忘れたよ・・。黒井沢登山口への分岐。道標がピンクテープで×になっとる。登山口へ向かう恵那山林道はもう何年も通行止めで、このルートは廃道になりつつある。ひょっとしたら、前宮ルートよりも難易度が高いかもしれない。サラッと通過して、名物?の櫓を目指そう。そしてこれが、恵那山で悪評高き櫓だ。その前に恵那山頂の標識。胞山とあるのは、日本百名山で深田久弥が言及しているよ。ただ今10:18と、予定より57分早い。岩場でのんびりしたからね。では、櫓に上ってみるよ。・・・。想像以上の眺めだよ、言葉にならん。さきの岩場まで登らなければ、オレの貴重な時間と¥返せっ!!てなるだろうね(笑)さぁ、いよいよ下山。櫓から10分ほど進んだ所で、広河原登山口までの案内標識。この付近で、ようやくソロ登山者とすれ違い。更に1組の登山者とも。みんな広河原から登るのだろう。2071付近で北東の尾根に分かれるから、地図とコンパスで確認し、コンパスの方向線を尾根の方角にセットする。この尾根は所々視界がパッと開け、光岳方面。ヘブンスそのはらの山頂駅らしき。ズームで。雲と同じくらいの標高まで下げたよ。生い茂る笹をかき分ける。標高を下げるに従い気温は上昇し、残雪はグズグズに。チェーンスパイクとアルパインゲーターを外す。ゲーターはスタッフバッグに丸めて、ザックに入れる。スパイクは泥が付いているので、片手でぶら下げながら下山。登山口まであと1.2kmか・・、終盤だな。広河原からの登山道はよく整備され歩きやすく、道標も豊富だね。ツガ(モミノキかな)の大木を見上げる。お昼食べた時よりも雲が広がってるね。川のせせらぎが聞こえる。登山口まで近いぞ。焦らずに足元に気を付け下ろう。最後の渡渉だよ。渡る前にチェーンスパイクを洗い、ザックに収めよう。再び素足になり、板の上を歩く。ちょろっと足を濡らすだけだから、渡渉とまでは言えないな。水はやっぱ冷たいっ!!足を滑らせることなく、無事に渡り切る。渡渉で手に登山靴を持って川をザブザブなんて写真見たことあるのだが、靴はロープでしっかりとザックに縛ろう。思わずバランス崩して登山靴が下流に、あれ~~~~ってなってしまうよ。対岸へ渡り、上流。広河原登山口に、無事に着いたよ。12:13か、計画より2時間半以上も早くの下山だよ。さぁ、これからが下山後の長丁場。昼神温泉まで、林道と一般道交えて延々と歩くのだ。登山口から4kmほど下流の、戸沢という集落から昼神温泉方面へバスがあるようだが、ハナから期待していない。体力はまだまだ残っている、早足で向かうよ。トンネルをくぐり、出口より。林道はだいぶ荒れており、落石多数。登山口から2kmほど下り、ゲートと駐車場と、冬季閉鎖中のトイレ。集落まで下り、道端にはツクシ。阿智村はこれから春本番だね。大きな駐車場と立派なトイレ、お土産物屋さん(休業中)まで歩き、用をたそう。自販機もあるので、デカビタ買ってチョコバーと共にエネルギー補給。広河原から8kmほど休まず歩いてるから、休憩だ。標高1,000mを切るとさすがに暑い、防寒着はザックに。休憩を十分取り、昼神温泉の前に園原ビジターセンターの『はゝき木館』に立ち寄ろう。2023年 山と高原で『万葉ふれあい館』とある場所だよ。ここで恵那山の山バッジ2種類を購入。クラシカルで素敵なデザインのバッジだ(^^♪※その先の県道が土砂崩れ復旧中で、営業は事前に要確認立派なヤマザクラだなぁ。里山の春。青空に映えるね!(^^)!満開のヤマザクラを拝めるとは、有難いもんだよ。こちらはミツバッツジが満開だ。これは水力発電所の建屋。いい加減アスファルトに飽き飽きの頃、やっとこさ昼神温泉だ。15:21だから、予定よりも1時間10分弱早い。飯田駅前行きのバスまで1時間以上余裕があるよ。16時ラストオーダーのお蕎麦屋さん発見。2回目の昼食を頂こう!!ウドなどの入った天ぷら盛り合わせ、鴨蕎麦、地酒を頂く。下山後の食事とお酒は生き返るなぁ。どれも美味しくて、ご馳走さま~~m(__)m併設のお店で、お土産も買おう。昼神温泉はハナモモが満開で、花祭り開催中みたい。立派に咲いているなぁ!バス停付近の桜も風情があり、旅情を掻き立てられる。飯田駅前行きのバスは、拙の貸し切り乗車。ところが市街地に入ると、地元の高校生たちでラッシュアワー並み。彼らにとって、貴重な交通手段なんだね。バスの車窓からは、雄大で屋根のような南アルプスが。ここからも迫力ある峰々だ。飯田駅に着き、高速バスのチケットを買おうとしたら・・。営業所は17時で閉まってるやん('Д')仕方ない、現金で割高運賃を払うか。バスは高速に入るのだが、恵那山はよう見えん。バイバイ、今日も貴重な登山体験ができたよ(^^)/~~~駒ヶ岳スマートIC付近から見える空木岳は、荒々しい岩峰で恵那山とは対照的。まだ多くの雪を纏い、雪山の厳しさをひしひしと感じる。空木岳はどのコースからも上級向けだ。是非とも踏破せねば!無事に帰宅し、ゆっくり湯船に浸かって山行を振り返る。今日は早めに寝よう☆彡 おわり