サンレモ音楽祭のコンピレーション(オムニバス)盤 1
今日は4月1日新年度です。もう1つ新しいシリーズを始めましょう。 これまで「サンレモの歌手たち」の国内盤紹介でも、数多くのコンピ盤を載せましたが、特に日本で発達したのは各年度盤や、総集編的な「優勝曲集」、「ヒット曲集」などでした。案外軽んじられたり、邪魔者扱いにされているのですが、これらはシングル盤で発売されなかった曲が収録されている貴重な存在なのです。国内盤は1961年から作られました。年度盤は回を追って書いていく予定です、総集編的ベスト盤は多分発売された時期に従って書いていくことになると思います。年度盤アルバムはこの61年から始まり74年まで何処かのレコード会社が出していましたが、75年(第25回)はジャンル別で競い、しかもメジャー・レコード会社がほとんど出場せず、国内盤も発売されていません。また60年代のカンツォーネ・ブームも去り、またイタリアでは経済状態悪化し、サンレモ音楽祭自体の規模も縮小し、人気が薄れ参加曲も激減しました。国内盤は76~79年までキングからアルバムが出ていましたが、ついに80年から発売されなくなりました。しかし時折85年にLP盤と、89年CDで出ています。「サンレモの歌手たち」で紹介できないオリジナル歌手でないカヴァー物や演奏物の盤も出ていましたので、その時々に紹介していくつもりです。 FLP- 1 (1961年4月25日 FONIT - テイチク) 25cm LP 第11回サンレモ歌の祭典 (XI FESTIVAL DELLA CANZONE SANREMO 1961)1.24,000のキッス (24 MILA BACI)2.レイ (LEI)3.闇夜 (月なきノクターン NOTTURNO SENZA LUNA)4.レディー・ルナ (LADY LUNA)5.小つぶのジャガイモ (PATATINA)6.アル・ディ・ラ (AL DI LA')7.海は玉手函 (ひきだしの中の海 IL MARE NEL CASSETTO)8.マンドリ-ノ・マンドリーノ (MANDOLINO MANDOLINO) 1,5 レナティーノ (RENATINO (vm) e sou i SCUGNIZZI); 2ファウスト・チリアーノ (CIGLIANO,FAUSTO (vm)); 3ピエロ・チャルディ (CIARDI,PIERO (vm)); 4ルチアーナ・ゴンザレス (GONZALES,LUCIANA (vf)); 6ジャコモ・ロンディネラ (RONDINELLA,GIACOMO (vm)); 7エッダ・モンタナーリ (MONTANARI,EDDA (vf)); 8 ジョルジョ・コンソリーニ (CONSOLINI,GIORGIO (vm)) FLP- 1 (FLP- 0) 実はこの盤の前に、もう1枚出ているのです。私は便宜上「FLP- 0」と名付けていますが、ジャケットは流用し、B面をFLP- 2として発売したフランコ・スカリーカ楽団が演奏するサンレモ曲を入れた試聴盤があります。 FLP- 0 (1961年FONIT - テイチク) 25cm LP第11回サンレモ歌の祭典 試聴盤 (XI FESTIVAL DELLA CANZONE SANREMO 1961) 非売品試聴盤1.24,000のキッス (24 MILA BACI)2.レイ (LEI)3.闇夜 (月なきノクターン NOTTURNO SENZA LUNA)4.レディー・ルナ (LADY LUNA)5.24,000のキッス (24 MILA BACI)6.カロリーナ・ダイ CAROLINA DAI7.小つぶのジャガイモ (PATATINA)8.音楽熱 (FEBRE DI MUSICA) 1 レナティーノ (RENATINO (vm) e sou i SCUGNIZZI); 2ファウスト・チリアーノ (CIGLIANO,FAUSTO (vm)); 3ピエロ・チャルディ (CIARDI,PIERO (vm)); 4ルチアーナ・ゴンザレス (GONZALES,LUCIANA (vf)); 5~8 フランコ・スカリーカ楽団 (FRANCO SCARICA e il suo Compl. (compl)) FLP- 2 FLP- 2 (1961年4月25日 FONIT - テイチク) 25cm LP 24,000のキッス (24 MILA BACI)1.24,000のキッス (24 MILA BACI) フランコ・スカリーカ楽団2.カロリーナ・ダイ (CAROLINA DAI)3.小つぶのジャガイモ (パタティーナ PATATINA)4.音楽熱 (FEBRE DI MUSICA)5.レイ (LEI)6.アイ・ラブ・ユ-・ラブ (わたしもあなたも恋してる IO AMO TU AMI)7.12月の海 (十二月の海 MARE DI DICEMBRE)8.マンドリーノ・マンドリーノ (MANDOLINO MANDOLINO) 1~8フランコ・スカリ-カ楽団 (FRANCO SCARICA e il suo Compl. (compl)) ドメニコ・モドゥーニョ(DOMENICO MODUGNO)のシングル盤は"ヴォラーレ"からアメリカのデッカ・レーベルでテイチクから発売されるようになりましたが、61年サンレモ音楽祭の盤からイタリアのレコード会社としては初めて独立レーベル「フォニット(FONIT)」として国内盤が発売されました。 ただオリジナル歌手の曲(太字で表示)はファウスト・チリアーノの"レイ"のみと少し淋しい状態です。これは1957年12月にフォニットとチェトラが合併しフォニット・チェトラとなったのですが、米デッカの販売契約はフォニットのみ、チェトラはおそらく米コーラル(CORAL)がもっていて、テイチクとの初契約でこフォニットのみだったと思われます。 翌年62年度からはチェトラの曲も入って2枚の10インチ盤アルバムが発売されることとなります。ですからミルバの"ひきだしの中の海(海は玉手函)"は紹介されず、62年の"タンゴ・イタリアーノ (TANGO ITALIANO)"と"今夜ルナ・パルクで(今宵ルナ・パルクでSTANOTTE AL LUNA PARK)"が日本デビュー曲となりました。 この続きは1962年(第12回)サンレモ音楽祭の紹介が終わってからとなります