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先月末、田舎へ行ってきた。
最後に行ったのは祖母の葬式の時だったから、なんと9年ぶりだ。 金曜日、早目に出勤して残務を片付けて、早い時間に新幹線に乗り、燕三条から単線に乗り換え。 田舎だからよほど空いているだろうと思いきや、試験の時期らしく金曜日の昼前のローカル線は学生でぎゅうぎゅうである。 東京の高校生と違って、田舎の高校生は化粧っ気もなく「元祖高校生」といった感じでとてもかわいい。 やっぱり高校生はこうでなくっちゃいかん。 吉田でもう一回乗り換えると人もまばらになり、外の景色もだんだんと変わる。 低い山々にはさまれた平地をすみずみまで埋めるように、刈り取りの終わった田んぼが広がっている。 車窓から母の通った小学校はどの辺だったかなと探してみたけど、分からなかった。電車からは見えないのかもしれない。 駅に着いて無人の改札を抜けると、いとこの三男が迎えにきてくれていた。 もう高校2年生だったのねぇ。 こんなに月日が立てば田舎も少しは変わるかと思っていたけどぜんぜん変わらない。 駄菓子を買いに行った雑貨店も健在だし、角の親戚の車やさんもそのまんまである。 家に入って親戚、親しい近所のおばあさん、葬儀のお手伝いで着てくれた近所の人に挨拶をする。 「ああ、カズんとこのおねえちゃん!?ぜんぞうです」「わたしはきゅうじろうのです」(以上女性) とか屋号で自己紹介されてもちんぷんかんぷんなので、もううすら笑いをたたえているしかない。 あとで地元の若者に聞いたら、若者はもう屋号はあまり使わないと言っていた。 お手伝いの皆さんの握ってくれたおにぎりはとてもおいしくて、つい3つもいただいてしまった。 あーこの米。毎日食べたい。太るか。 田舎には、小学校のころまで1年おきに遊びに行っていたので思い出がたくさんある。 山でトンボを取ってヒモをつけて飛ばしたり、家の前の川でめだかをみたり、(川は今より汚かった) セミを7匹も捕まえて得意になってたり、 伯父に連れられて真っ暗な田んぼへ出かけていき、フキの茎に蛍を入れて持って帰って 次の日枕元で死んでいるのをみて泣いたりしていた。 海まで車で15分位なので、弟と軽トラックで海水浴にもよく連れて行ってもらった。 日本海は水がきれいで嬉しかった。 小フグとか泳いでいて、手のひらに乗せるとふくらむのでとても興奮した覚えがある。 田舎がド田舎だったことに、今更ながら感謝 である。 翌日は上天気。 山あいにある火葬場への行き帰りは田園風景で特に美しい。 紅葉が終盤の山は赤茶と緑が鮮やかだし、柿もまだたくさんなっているし、田んぼには白鷺がたくさんいてエサを探していたりする。 母に「昔はなんとも思わなかったけど、ここ、いい道だね。景色がきれいで」と言ったら 「帰ってくると兄貴がいつもこの道を通って迎えに来てくれた」といって泣いた。 お寺さんに壇参りしたあと、精進落とし。 母は出席しないというので弟と二人名代として出席する。 これまた昔っからある、ごま豆腐のおいしい料理屋さんである。カニも旬でうまい! すっかり一家の主らしくなったいとこと、その長男が挨拶をする。 長男はやっと成人式だということだけど、いろんなものを背負っているので私なんかよりほよどしっかりしていて頭が下がった。 いとこが「ありがとうな」とお酌に回って来たので 「おじさんを結婚式に呼ぶのが夢だったんだけどなあ」とうっかり本音を言ってしまったら 「そうだ、おめえ、それ最大の裏切りだかんな」と。 ・・・・グッ 弟いわく「おまえ、なに自分でネタ振ってんの。バッカじゃねえの」だと そうですね・・・ ゆっくり感傷に浸っていたい気もしたけど、そうはいかないので 弟と東京のいとこの奥さんとその娘と、一緒に帰ることにする。 いとこ同士の子供たちは別れがつらくて泣いていた。 小さい彼女は夏休みによく遊びに来ているというので、 「じゃあ海に行くの?」と聞いたら、海には行かずに漫画とゲームだそうである。 イマドキの子供は海には行かないんだ・・・・今回一番ショッキングな変化だった。 今度はいつ来れるだろうか。 もしかしたら、もう来ない、と思うとちょっと寂しい。 でも、田舎ってそういうものなのかもしれない。 どんなに田舎がいい、すばらしいと思ったって、私は所詮便利な東京でしか生きてこなかったので、たぶん他には行けないのである。 まあそんなことも含めて、日常をはなれてつれづれと考えた機会だった。 大好きだった伯父が、忙しがってる私に与えてくれたプレゼントだったかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.12.07 10:08:39
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