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テーマ:たわごと(26782)
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切なくなる本だった。そして、共感する本だった。 引用してみる。 。。。日本の三万の河川のうち、ダムのないのは三つだけだと云われています。何千キロもある海岸の30パーセント以上はコンクリートブロックになってしまい、国の補助金により全国の雑木林は伐採され、そのあとは杉が列をなして陣立てよろしく並んでいます。そのために秋に山の紅葉を見に行っても少ししか見ることができず、たとえ紅葉が見られても、それは山肌のなかであちらに一箇所、こちらに一箇所と点在し、まるでパッチワークのような有様で情けないとしか言い様がありません。 。。。そして電線!先進国の中で都市と街で電線を地下に埋めていないのは日本だけであって、日本の街の独特のごみごみした雰囲気はそのせいです。郊外に行くと電線の張り方は更にひどくなり、たとえば、横浜の新しい住宅地である港北ニュータウンなどは巨大な鉄塔と小さな電信柱が無数に立ち並び、人の頭の上は電線の網地獄になっています。 。。。現代の中国人や日本人の服装、家などは東洋の伝統文化とは全く関係のないものです。日本人は京都や奈良の古い町を見て、「美しい」と感嘆はしても、その心の中では、自分達の現代の生活とは関係がないことを知っています。換言すれば京都が「ウソ」の世界になってしまっているのです。そのため、東洋には「パリ」や「ローマ」は無く、京都、北京、バンコックは次々と粗末にあつかわれて、コンクリート・ジャングルと化してゆきました。それと同時に田舎は、立て看板、電線、アルミサッシなどがあふれて、伝統的生活様式はすっかり忘れ去られていきました。これは日本に限ったことではなく、東洋全体の悲劇だと思います。 。。。タイや香港に行きますと、ある程度お金のある家庭はきれいな生活をしています。でも日本の場合、貧乏人も金持ちも、教養のない人も偉いお茶とお花の先生も、みな醜悪な環境の中に住んでいます。 。。。日本の美が消えていくことは避けられないでしょう。それにしても僕は幸せだったと思います。美しい日本の最後の光を見ることができました。 消えていってほしくない。私に何が出来るか、後半生、ゆっくり考えよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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