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noririn☆

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February 9, 2006
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2月の寒い寒い夜、13年間我が家の玄関を守ってくれたベスが逝った。


気の強い雄の柴犬の雑種で、隣人にも甘い顔を見せない強面だった。
唯一、我が家には後入りのチワワのももには甘い甘いおじいちゃんだった。
ももが小屋の傍に行くと、どんなにからだがしんどくても、
どんなに雨が降る日でも、雪が降る日でも顔を出して相手をする。


そんな様子を私たちは眼を細めてみていた。
仲の良いおじいちゃんと孫娘を見るかのように。


ベスがの具合が急速に悪くなったのは10日ほど前。
腹水が溜まり、顔が浮腫み、食欲が落ちて…見る見る衰えていった。
言葉を発することが出来たのなら、しんどいとか、苦しいとか
ツライとか、痛いとか言ったのだろうか…。


しかし、相変わらずの厳しい表情で耐えていた。


寝返りを打つのも辛そうだったので、
鎖をはずして、玄関の中に毛布を引いて寝かせることにした。
空を見上げたら、小雪が舞い始めていた朝だった。


移動した数時間は慣れない場所のせいか、
落ち着かない様子だったが、
それも時間とともに穏やかな表情になっていった。
ももが時折様子を見に行くと顔を上げて応えていた。


ここ数日来のベスの様子から、
私たちは彼に残された時間はほとんどないことを感じていた。
家族全員が入れ替わり立ち代りベスの様子を見に行った。


今更何をしてあげることが出来るのか…そんな想いが過ぎるが
ただ今できる限りのことをしようと思った。
それは身体を擦ること、頬を撫でること。
そうすると、とても安らかな表情で身体を預けてくるベス。


夜になって、何度も様子を見に行っていたが、
お風呂に入ってた数十分の間にベスは一人で旅立った。
気がついたときには、まるで眠っているかのような安らかな顔で
身体もまだ温かかった。


ベスの死を通して感じたことは、
召されるまでは、生き抜かねばならないということ。
そして、逝く日が来るまでは生き抜かねばならぬのなら、
今からの自分の道を自分でどう選択するかを改めて思った。


誰の人生でもない自分の人生を生き抜こうとを思った。
そして最後は安らかに眠れたらいいなって思った。


死は必ず訪れる。けど、死について語ることは少ない。
避けて通ることは出来ないのに何故かタブーのように語らない。
「いつも心に死を」そんな言葉を教えてくれた方がいる。
そう、いつも心に死を・・・。
だからこそ、悔いのない今日を過ごしたいと思う。
それは、刹那的に生きると言う意味では決してない。












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Last updated  February 9, 2006 01:34:05 PM
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