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2008年11月10日
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カテゴリ:  恋愛


昔から好きな作家さんです。

今回はギャグでもなくオカルトでもないマンガです。
ということを1巻カバー折り返しの作者コメントで知り、
えええーーーっと驚きました。だって、楠桂先生ですもの。


内容(ヤングガンガン公式より)
日々の生活に飽きていた高校生・諏訪大介(すわ だいすけ)は、
いつか地元を捨てて都会に出ることにあこがれていた。
そんなある晩、些細なきっかけから協会でクラスメートの
藍川雛子(あいかわ ひなこ)の重い懺悔、
『義父に性的虐待を受け、子供を出産していた』ことを知ってしまう。
さらに雛子のお腹にある帝王切開の傷跡を目撃してしまった大介は、
いつのまにか雛子を意識し始める…。
一方、男性恐怖症の雛子も大介のさりげない優しさに心を開き始める。
交差する二人の揺れる想いの行方は…!?


↑というまあヒロインが酷く重い設定の中進む物語ですが、
そこは楠テイストで、キャラクターの些細な行動や会話が結構コミカル。
設定をとらえながらも軽く楽しく読み進められます。
だからこそ余計に落とすところで落とされて、落差がすごいです。

脇の女の子2人も、可愛い顔してかなーりえげつない。
和気藹々としている時はとても可愛く微笑ましいですが、
そんな日常でも心の奥には色々複雑なものを抱えているのです。
うん、まあ実際そんなものですよね。皆色々考えているのですよ。
と、しっかりそんな女の怖さも満載です。


特に、女の子の1人の香月。

派手目な外見の女の子で、大介に猛アタック。
雛子をいじめて、雛子を守ろうとする大介の心に付け込んで彼女の座をゲットしますが、
大介の気持ちが自分に無いと知っていながらも、
それでもずっと一緒にいれば、いつか好きになってくれるはず…と一生懸命な恋する乙女です。
そう、序盤ではただの派手系ギャルなこの子ですが、実はかなり一生懸命な乙女なのでした。
そもそも派手になったのがすでに大介のため、というか、
大介に近づくためだったのですからなにせ長期戦で努力賞ものです。
なんたって相手は女に苦労しないぜ☆という、都会に憧れ遊びなれた風を装う大介ですから。
派手になって大介の目に留まるようになって、
そして自分も遊びなれているように軽く上手に誘うしか、
香月が大介に近づく方法が思いつかなかったのでしょう。

まあ、長期戦としたたかさに関しては大介の幼なじみの柚も負けてはいませんが。


読んでいて痛々しさにうわぁと顔が歪んでしまうエピソードもありましたが、
全部ひっくるめてとてもよい作品でした。
やっぱり力のある作家さんなのだと再確認しました。

で、本編だけでなくあとがきも要チェックです。
○○や○○(ネタバレになるので伏字)など、マンガの中のエピソードが、
実はマンガ内だけでなく作者さんの身にも起きていたということで。。

自分の身にあった、辛い出来事(と言葉にするのは簡単ですが、ご本人にとってはいかほどのことか…)
をマンガとして表現するということは、とても気力がいることだと思います。。





女の怖さ、女の弱さ、そして女の強さ。
そんな色々がもれなく詰まった4冊でした。

     





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最終更新日  2009年09月08日 21時47分24秒
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