|
カテゴリ: 他 物語
【内容情報】(「BOOK」データベースより) 財前有利子は、ふたば証券に勤める投資アドバイザー。 ペイオフ解禁を機に、 個人金融資産の貯蓄から投資へという流れの中、個人客の投資相談に取り組んでいる。 「自分の顧客には絶対に損をさせたくない」という信念で、 上司や先輩社員も一目置く存在だ。 ある日、一人の老人が持ちかけた「二五〇〇万円を一週間で倍にしてほしい」という相談に、 有利子の答は…。個人資産運用の世界を描くコミカル・エンターテイメント経済小説。 彼女を取り巻くエピソード4本で構成されています。 なので、1本1本に起承転結があり、ほどよい分量でとっても読みやすい。 素人でも楽しく読める小説というコンセプト通り、 専門用語の各種や仕組みがわからなくても、 人物関係と流れを追うだけで十分普通に読み物として楽しめました。 ただ、本格的に知識が欲しくて読もうとしたり、 「現実的」なストーリーとして期待して読むと……どうなんでしょうねぇ。 多分そこそこ現場を知っている人が見たら、なんじゃこれとなるのじゃないかなぁ。 最終章へと進むにつれ加速するご都合主義的展開とか、特に。 アリコさんみたいな、とことんお客様に寄り添った考え方で、 お客様には絶対損はさせたくない!自分が納得しないと進めない! ってどこまでも筋を通らせて行動できるアドバイザーさんっていいなぁと、 そういう理想を詰め合わせたキャラクターというのは良く見る形です。 (お医者さんものとか先生もので多いですよねー) そんなアリコを中心に添えながら、しっかり上司や同僚・同業者への描写で、 けれども誰もがそうお客のことを考えているわけではなく、 むしろ「この世界」でもアリコの方が珍しいのだと何度も明示されています。 でもどうにも好きじゃないんだよなぁ。アリコさんのキャラって。 なんでかと考えますと、沸点の低さというか、口の悪さというか。。 駄目な人に向かって「喝!!」と鞭を叩きつけ、活を入れるという、 そういうのを格好良さとして見せたいのでしょうけど、 どうにも回数が多いように見えるのと、彼女自身が素敵でないのと、 丁寧さが剥がれ落ちる様が目立ち、あんまり美しく見えないのです……。 とりあえず会ったばかりの顧客候補のご老人を前に、 プッツンしてしまったからって高飛車に「じいさん」はないでしょう。。 しかもその後改めて会っても、以後ずーっと「じいさん」て……。 確かにそういう行動が爽快感となって好感に繋がるキャラクターもいますけど、 今回のアリコさんについては逆効果な気がしました。 そもそも、ああこの人ってこうなのね~!というイメージもなく、 好感を抱くための土台作りすら整っていない段階での行動だったので、 そんな段階でやられても、魅力的に感じられない…と困惑してしまうんですが。 ところで、1章はのっけから濃厚な社内ラブシーンで、2章も一部そんな空気になりかけ。 しかし1・2章の後半及びそれ以後の話は全くそういう空気が漂わないのは、 経済小説というジャンルを読む方々への、つまり読者へのサービスシーンなんでしょうか。 それとも掴みはオッケーっていう方なのかな。シーンの差にちょっと驚きました。 1話だけ見ると、もっと色恋営業というか、身体でナンボの女性かなーと思ったので^^; 手持ち無沙汰でなんか読みたいって人には、 さらっと読めていいんじゃないかな。 マンガ化されてます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月12日 22時22分32秒
[ 他 物語] カテゴリの最新記事
|