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2010年10月03日
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カテゴリ:  他 物語


内容(「BOOK」データベースより)
北村志織は、引っ越したばかりのマンションの自室で、怪奇現象に遭遇した。
ありえない場所から人が語りかけてくるのだ。「平野です」とその声は告げる。
同じ建物に住んでいるが、話したことのない男性の名だ。
ただし、「未来の平野」なのだと彼は続けた―。男はみんな奇跡を起こしたいと思っている。
好きになった女の人のために。『雨恋』の著者が描く、時空を超えたラブ・ストーリー。


上のブックスの画像は文庫版ので、私が手に取ったのはハードカバー。
で、断然そちらの表紙の方が好きです。
アマゾンと違ってブックスでは古い方の情報ページがないのが残念です。
きっと文庫の方のイラストだったら手に取らなかったと思うし、
そしてまたあらすじを知っていたらこれまた読みはしなかったと思うのです。

普通によくある恋愛小説が読みたくなって手に取った本だったので、
読み始めて序盤で未来からの声が聞こえてきたり、その未来の人と話したり、
また幻聴ではなく部屋のぬいぐるみがしゃべりかけてきたりと、
そういうことの連続にかなりかなり戸惑いました。
結構ページが経つまで未来の声にはトリックがあって、
ぬいぐるみも幻聴かまたは誰かに騙されているんだろうと思ってましたもの。

読みやすくあっという間に読み切って、
当初の期待が満たされたかというとちょっと微妙だけれど、
そこそこのキュンとちょっとした違和感と、
ああ恋っていいなぁと思えたのでなかなか「当たり」だったのでしょう。

けれどまあ、場所の設定とか登場人物たちがかなりあっさり出番を無くしていて、
もっともっと周囲の人々が見たかった身としてはちょい物足りなくもあり。
出会いの必然性としての舞台設定としては機能しているのだけれど、
そこにすむことになった主人公の趣味の独自性や、
ある種の人間が集まっているという場所独自の展開がそれほど見られなくてちょっとむー。
オムニバスとしてなら、ってほどの描写に感じたので、だったらほかの人たちにスポットをあてて、
その人たちの人間性や日常がもっと垣間見えるような短編も足してほしかったなぁ。
と思ったところで、ちょっと不思議な恋愛小説というコンセプトで見るときっとそのあたりは蛇足になっちゃうんだろうなあ。ということはこれでいいんだろうなぁ。
少々の足らずが美味しいってことでしょうかねぇ。

       





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最終更新日  2010年10月04日 02時09分01秒
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