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2010年12月17日
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雪蟷螂

雪蟷螂

価格:578円(税込、送料別)



内容(「BOOK」データベースより)
涙も凍る冬の山脈に雪蟷螂の女が起つ。この婚礼に永遠の祝福を―。
長きにわたって氷血戦争を続けていたフェルビエ族とミルデ族。
その戦に終止符を打つため、ひとつの約束がなされた。
それは、想い人を喰らう“雪蟷螂”とも言われるフェルビエ族の女族長アルテシアと、
永遠生を信仰する敵族ミルデ族長オウガとの政略結婚だった。
しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれる。
果たして、山脈の地に平和は訪れるのか。そして、極寒の地に舞う恋の行方は…。
『ミミズクと夜の王』『MAMA』に続く“人喰い物語”最終譚。


これで残すは最新作の毒吐姫のみ!

ミミズクの時から、電撃文庫っぽくないと評判でしたが(?)
人食い三部作を振り返り、「これってなんだかむしろ、コバルトっぽいんじゃないかしら」
と気がついたのですがいかがでしょうか。
といっても花丸並みのBLであれやこれやな頃からコバルトと疎遠になり、
最近のコバルト事情はすっかりさっぱりなそんな私が思うちょっと前のコバルト、みたいな。
「姫君と婚約者」「ちょーシリーズ」「汝、シリーズ」「楽園の魔女たち」とか、
あのあたりが出てたころのような、いかにもファンタジーな少女小説って頃を思い出すのです。
 どうりで 私が好きなわけだ。
特にデビュー作の「ミミズク~」に顕著な年上人外×少女なんて、もう、酷くツボですもん!

さて。
人喰いシリーズとくくられておりますが、
この「雪蟷螂」はあらすじの通り実際に「人喰い」ではありません。
蟷螂のメスがオスを喰うのに見立てて、部族の女性はそれくらい情が深くて激しいってのと、
誓いのキスの際に女性の口紅が男性に移って血みたいだった、という事例が元なのです。
なので今回は大好きな人外はお休みでちょっと残念だったり。

ストーリーとしては王道。
主人公と影武者と、過去の記憶の女性と3人の女性視点が出てきまして、
男性陣が何を考えているか、というのは女性たちの視点でしか描かれません。
でね、そこらもまた少女小説っぽいなーとね。好きなのでいいんですけど。

先の読める行動や展開と、さくさく進む場面に時間、
そんで政治的背景とか世界そのもの、日常の描写はほとんどなく。
この辺を書き込んでたら「デルフィニア戦記」みたいな読み応えのある長編になりそうです。
が、そうじゃないので、その辺への期待は忘れてキュンキュンするために読み進めました。

少女小説に王道な展開だけあって、安心してさくさく読めるのがとっても素敵です。
この人とこの人が出てきたら、最終的にどうなるのか!というのが想像できるので、
後は期待通りの展開へと進む様をキュンキュンしながら見守るのです。

他国に嫁いだその日に、姫様がお忍びで城を出ることになって、
周りにばれないように王子様の横には姫様の幼馴染兼影武者の女の子が残ることに。
ちなみに女の子は大好きな姫様が性格の悪い王子様に嫁ぐのに納得いかなくて大嫌いで…
って、こんな設定どうなるかはもうお楽しみじゃないですか!
今作は国じゃなくて部族だったり姫じゃなくて族長だったりしますが、まあ大差ない。
非常に萌える大好物な設定なので、この影武者ちゃんパートはウキウキでした。
この手につきものの身分違いの恋ゆえの周りの反対…とかも大好きなので、
そのあたりがなくあっさりハッピーなのは少々物足りなくもありますが、
まあ身の振り方に関しては結構序盤から読めるのでいいのですよ。下手に期待はしませんさ。

この二人のその後が読みたいなー
事件とか引き裂かれとかじゃなくて、ただ甘甘な日常が読みたいです。
頭が切れて経験豊富な女の子に、下手惚れ故にたじたじ。でもプライドの高い旦那様。
ああもう、言葉にするだけでキュンキュンです。ツボです!

って、メインの主人公カップルに関しては全く書いてないですが、
まあ要は萌えませんでした。悪くはないけど、好きではないっていう。。
過去編カップルについては流れが全て語られている上に、
合った回数や最後まではっきりしてるので妄想の余地もなく。
なので私にとってはひたすらに影武者と族長カップルがおいしい1冊でした。
ごちそうさまです。

   
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最終更新日  2010年12月17日 18時21分30秒
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