石持浅海「月の扉」
【内容情報】（「BOOK」データベースより）沖縄・那覇空港で、乗客２４０名を乗せた旅客機がハイジャックされた。犯行グループ３人の要求は、那覇警察署に留置されている彼らの「師匠」を空港まで「連れてくること」。ところが、機内のトイレで乗客の一人が死体となって発見され、事態は一変-。極限の閉鎖状況で、スリリングな犯人探しが始まる。各種ランキングで上位を占めた超話題作が、ついに文庫化。図書館ではなく、友人に借りました。現代を舞台にしたミステリで、あくまで現実的に進む中、ただ一つ異様なのが「師匠」の存在です。めちゃネタバレですが明らかなカリスマ性を持つ、けれど多くを救おうとはしない静かな奇跡の存在。その気になればキリストの再来になるんじゃないかと、危険視されつつも、本人はいたってその気が無く、ただ、静かに月の扉が開くことを望む人。そんな人に魅せられた人たちが、陰謀により留置された師匠と会うためだけに、というより、師匠に「月の扉を開いて、向こうへ連れて行ってもらうため」に、絶好のシュチュエーションに師匠を置くためにハイジャックするという話。このふって湧きつつ全ての前提となる師匠の存在が許容できるかどうかが重要ではないかと。私はというと、なんでも「ふーん」とかわすので普通に楽しめました。狭い機内で人が死んで、とりあえずで指名された人質の1人「座間味くん（仮名）」が、切れ者具合を発揮して、推理して犯人を当てるというストーリーは、とても小さな世界で完結してて結構好きな感じ。座間味くんもなかなか萌えましたし。こんな男と一緒だと心強いわね！と恋人さんに声をかけたくなるくらいでした。読み返そうとは思わないけれど、一気に最後まで読みきれましたし、キャラも美味しかったので満足です。
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