伊坂幸太郎「SOSの猿」
SOSの猿価格:1,575円(税込、送料別)【内容情報】(「BOOK」データベースより)ひきこもり青年の「悪魔祓い」を頼まれた男と、一瞬にして三〇〇億円の損失を出した株誤発注事故の原因を調査する男。そして、斉天大聖・孫悟空─救いの物語をつくるのは、彼ら。以前読んだ西尾維新さんの「世界シリーズ」の会話の中に、それまで好んでいたものを好まなくなるということを「はぐれた」と表現した方がぐっとくるじゃない!というようなことが書かれていました。なるほどーと思ったものです。確かに、飽きたや冷めたより「はぐれた」方が優しい気がする。ということで、「あるキング」ほどではありませんでしたが、まあ伊坂さんでなかったら読むのを止めていたかな、というほど合いませんでした。最近続けて読んだ「モダンタイムス」と「ゴールデンスランバー」もなんだかなぁだったので、これはもう伊坂さんからはぐれてしまう予感なのか…とドキドキしちゃいました。あ、でも秋に発売された「マリアビートル」は久しぶりに殺し屋さんたちで、なんだか面白そうなのでちょっと期待してます。伊坂さんにはとっても夢中にさせていただいたので、まだまだはぐれたくないよー何が面白くなかったのかと考えても、よくわからない難しい読後感です。単純に私が孫悟空というものを好きでないというのと、(サルが苦手)キャラクターがいちいち好きじゃないというのと、ストーリーの流れとどんでん返しのなさと…なんでだろうと思ってしまうほど、夢中になれませんでした。残念。一人目の主人公の悪魔祓い師(本業・家電販売員)の、他人の痛みが苦手で、あれこれ考えてあれこれ行動したいと思うものの、結局何もできずに居心地の悪い気持ちを抱えてもやもやするだけ…という性質には非常に共感しました。もっとも、私は救急車の音を聞いて「どこかで誰かが泣いている」と胸を痛めるほど優しくはありませんけれど。ハードカバーで1500円+税。ちょっと高いなぁと思う1冊でした。 予約