甲斐透「月の光はいつも静かに」
【内容情報】(「BOOK」データベースより)ーなぜ、アドリアンは駈け落ちなどしたのか、異国から虜囚としてやってきた姫にだまされたのか…?黒龍隊長ゼルス・ダガンは逃げた二人を追いながら思う。古い貴族の家に生まれ、将来を約束された近衛騎士の青年は、美しい婚約者を置いて逃げる必要などないはずだった、と。しかし、月の輝く砂漠の中でダガンが二人を追いつめた時、アドリアンが吐露した心情、希求の叫びとはー!?それぞれの立場、願いが交錯する表題作のほか、長篇書き下ろし「街の灯は黄水晶色にあたたかく」を収録。期待のニューフェイス・甲斐透のデビュー作。多分イラスト目当てで購入して、読んでなかった本です。うん年ぶりに出てきたので読んでみたら、なんだこれ。めっちゃ面白いじゃない!静かで正統派な雰囲気といい、気軽な若者言葉が乱舞しないところといい、後味すっきりとは言えない微妙な苦さとか、たまんないじゃない!ということで一気にお気に入り棚に移動しました。デルフィニア戦記とか先日紹介したリングテイルとか、ああいう軽くないキャラたちの話ってやっぱり好きだわ、としみじみ。続編出てもいいと思うんですが、残念ながら出てないんですよねー。むぅ。ちなみに、甲斐透さんって漫画『恋愛中毒的仙術師』の原作だったのですね。あれも、真面目な展開のとこは凄く好きだったのです。懐かしい……。目先の美男にくらくらくる瑠璃仙のテンションの高さは疲れましたが笑