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カテゴリ:ビーズ
大切に持っていたシンセオパール、 その名の如く人工石である。 オパールの原料を組成し直したものである。 私は沢山の石の中から何故シンセを選んだのだろうか、、 透明感のある乳黄色の石の中には、 なにか秘密が隠されている様な、曇った部分もある。 手にいれてから10年は経っただろうか、、、 ある日、1人のお客様から 「レースの襟の様なチョーカーが欲しい」 というご依頼があった。 その方はピアノの講師をされていた。 いつか彼女と音楽についてゆっくり話す時間があった時に知った。 さて、どんな形にしよう、、、 私の頭の中には小さな舞台だけど、何人もの暖かい拍手とスポットライトの中で彼女が懸命に演奏している姿が浮かんだ。 どんな曲を弾くのだろう、、 ショパンだろうか、、シューマンだろうか、、 きっとドレスは清楚な紺や白が似合いそうな、 そんな彼女が舞台に立った時に、まるでシースルーで肌の中にありわからなそうだけど スポットに当たりキラキラと光が揺らめく、、 そんな作品を作りたいと思った。 今年イタリアで購入してきたシルバーのメタルパーツと合わせビーズと言うよりはジュエリーにしたいと思いながらも、シンセの光を見ていたら、自然に手にとったのはアンティークのコンテリエだった。 ヴェネツィアムラーノ島では既にコンテリエ工場は閉鎖されているので現在は製造されていない。 しかし、その在庫は見事なものでまだ使われないで木箱に眠るものもある。 私はコンテリエ工場に行き好きなビーズを選ぶと、沢山木箱のある在庫から取りに行ってくれる。 粒も不揃いで穴の空き方も様々、、 日本のビーズの品質からすると、ランクDになってしまうであろうコンテリエビーズであるが、どこにも見れない不思議な色が沢山ある。 コンテリエビーズを木屑をよけながら一粒一粒極細の針に通しながら、レースの様にモチーフを作っていく。 このコンテリエが出来たばかりの時、ネックレスを作る職人は誰の為にどんな物を作ったであろうか、、。 お姫様の衣装にあしらったのか、それとも 王様の衿や袖に宝石を散りばめながら、刺繍されていっただろうか、、遠く海を渡り交易に使われたかもしれない。 いまの現在に、遠くはるばる日本まで来て私達を楽しませてくれるコンテリエは、昔の歴史を無言で伝えてくれ、私達の現在の素材と優しく融合しながら、そして優しく昔話を語る。 シンセの原材料の成分とアンティークのコンテリエには、きっとなにか共通点があるに違いないと思う。 そう、私達は昔の良い物を再現する努力をしている。 なにかの商品でも復興版がでたり、建築でも最近は東京駅が昔のままで出来たばかり。 淘汰されてなくなるものもあるけれど、 心のどこかで探し求めていたのだ。 今朝出来立てです。 ダンスドールのレッスンバックと共に、、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.07.09 20:03:13
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