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カテゴリ:監視委員会検査
久しぶりの更新です。 最近、私が行政書士として独立して金融商品取引法の専門アドバイザーをしていたときのお客様に、証券取引等監視委員会の検査が入るのを見かけることがあります。正直、少し驚いているのは、比較的規模の小さい旧投資顧問会社にも検査が入っていることです。 「うちは規模が小さいから当社に検査が来るはずがないよ!」と自信(?)を持っていた会社にも検査が入っています。私がアドバイスをした会社は、最低限の社内規則の整備と役員以下に説明をしているので、私は心配していませんが、検査に入られた当のお客様は、ビックリだと思います。 金融商品取引法が施行されたばかりの頃、当局の検査の話をすると、多くのお客様から言われたのは、「うちには来ないよ!」という台詞だったことを思い出します。当時、私は、仕事が欲しいためではなく、本当にお客様を心配して、「検査は入るものだと思って準備してください」と日本全国(と言っても、東京地区と大阪地区だけですが)のお客様にお話しましたが、なかなか信じてもらえませんでした。 「コンサルティングの仕事が欲しくて大げさなことを言ってるんじゃないの?」と言われたことはありませんが、皆さん、あまり真剣に考えていなかったことだけは確かです。登録をしないで業務を続けると刑事罰の対象になりますので、登録だけはしっかりやっても、登録した後のことまで真剣に気にかけていたお客様は、残念ながら多くはありませんでした。 「検査」と言っても、特別な「準備」はいりません。のべ10回程度受けているので自信を持っていえます。「準備」は必要ありませんが、「普段」から、内部管理態勢を充実させて業務をすることは絶対に必要です。コンプライアンス担当者を置けばいい程度の中途半端な内部管理態勢では、はっきり申し上げて、検査で撃沈します。 金融商品取引業者には、金融商品取引業者特有の内部管理態勢が求められます。残念ながら、金融商品取引業者のコンプライアンスについて書かれた本は存在しません。弁護士や学者の方は、検査を受けたことがないのですから、「想像」でしか書けません。私のような実務家が書こうとしても、出版社の「売れませんよ」の一言で終わりです。ですから、金融商品取引業者の検査の実態や求められる内部管理態勢が表に出ないのです。 金融商品取引業者の皆さんにおかれましては、「検査が入るかどうかは、会社や事業の規模や内容とは一切関係がない!」ということを忘れずに、普段から、内部管理態勢について考えながら、業務を進めるようにしましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/05/25 05:53:20 PM
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