空を仰ぐことが多くなった。
去年の暮れ、2才の姪 「詩菜(うたな)」 が亡くなった。
それはもう本当にウソのようにあっけなく、
今でも半ば夢を見てるような…だけど現実。
白くてやわらかいプニュプニュのほっぺや手足。
おにぎりが大好きで、むじゃきに体をゆらしてよく笑ってくれて…。
そのとき私は切迫早産で入院していて、病院で突然の訃報を聞いた。
外出を許されなかった私は、すぐにかけつけることもできなくて、
ただただ病院のベットで詩菜や弟夫婦のことを思って泣くだけだった。
あまりのやりきれなさに、気持ちが行きづまり頭が割れそうだった。
長くて暗い夜。
それでも空はだんだん白んできて、
東の空いっぱいに、大きな大きな太陽が昇った。
やさしくてあったかくて、すごく大きな神々しい朝日だった。
詩菜はここにいる、となぜか感じて、
かわいく笑う詩菜がそこで幸せでいてくれてるような気がした。
あれから9ヶ月。
弟夫婦はある小さな星に「詩菜」と名づけました。
空を見上げると、いつでも詩菜に会える気がして、
今もまた、空を見上げている。