スウェーデンの女性ジャズ・ヴォーカル、Monica Zetterlundをご存知でしょうか?熱心なジャズ・ファンの方でしたら、Bill Evansとの競演盤を真っ先に思い浮かべることでしょう。世界的なジャズ・ピアニストを前に臆さず、素晴らしい歌唱を披露した、かの名盤は彼女の代表作ですが、僕が個人的に思い入れが強いのは、満面の笑顔が印象的な75年のこのアルバムです。
気の知れた仲間達とリラックスしたムードで録音された本作には、Blossom DearieがBeatlesのJohn Lennonのことを歌った名曲、「Hey John」のカバーが収録されています。この曲は僕がBlossomの音楽にのめり込むきっかけになった曲なので、スウェーデン人の、しかもあのMonica Zetterlundが歌っていると知った時は本当に感激しました。
Blossomナンバーは本曲を含め、合計4曲で、こちらも名曲「I'm Shadowing You」のカバーも収録されています。アルバム自体の空気感も同時期のBlossomの作品に近く、むしろ意識して作られているので、亜流に感じる方もいるかもしれませんが、Lars Bagges率いるソフトなオーケストラの演奏も素晴らしく、内容的にも十分満足出来ます。僕の収集のキーワードに彼の名前が加わってしまいました。
かなりBlossom Dearieに偏ったレヴューになってしまいましたが、ジャズ・ポップ的なフィールドでレコードを掘っている方には絶対にお薦めのアルバムです。