カテゴリ:カテゴリ未分類
作家・大佛次郎さんの作品に「花火の街」という作品があります。文明開化の横浜の居留地を舞台にした哀切な恋物語で、この作品には当時の横浜の街並みが情緒豊かに書き上げられています。大佛さんは他にも「霧笛」「幻燈」など横浜を舞台した作品を数多く残しています。山下公園前のホテル・ニューグランドの港の見える一室を、仕事場にしたのも有名です。 大佛さんが愛した横浜は、かつての面影を留めながらも、より近代的に変貌を遂げましたが、今も、どこか「色のある街」というか、独特の風韻があります。 先日、僕は、横浜開港150周年を祝う花火を、屋形船に乗って、海の上から観ることができました。障子越しに、次々と打ち上がる大輪の美しさは圧巻でした。「もう今年の花火か・・・。」と、月日の経つ速さに、淡い後悔をしながら、かつて偉大な文人が創作の源とした港街の花火に思いを馳せる夜でした。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|