魚特有の脂肪酸に注目! |
昔から魚や肉はご馳走でした。特に、海からの遠い地域の貧しい人々には、魚や肉は恵まれた人々の贅沢な食品で、わずかしか食べられませんでした。
例えば、塩鮭一切れが何日もおかずだったとか、昭和初期の勤め人の家族では、主人だけに一尾の煮魚がつき、子どもたちがその食べ残しをいただき、妻は骨や煮汁に湯を注いでご飯にかけて食べたというお話もあります。
今では、旅館などでは刺身、焼き魚、酢の物など魚介類のほかに、鳥のもも焼き、ビフテキ、とんかつなどの肉料理までつくことは珍しくありません。
魚や肉は質の良いタンパク質源として貴重な食物ですが、多いほど身体に良いわけではありません。あまり多く取りすぎれば、体質的に血清尿酸値 が上がりやすい人は、通風にかかります。腎臓の働きが侵されていれば、悪化させることが多く、タンパク質は大切な栄養素ですが、不足はもちろん、過剰も良くありません。
魚も肉もタンパク質は良質ですが、一緒に存在する脂質が違います。特にイワシやサバ、アジなど、青魚に多く含まれるEPA (イコサペンタエン酸)や、DHA (ドコサヘキサエン酸)など魚特有の脂肪酸 は、健康上注目されています。
■動脈硬化 を防ぎ ・アトピー を改善する!
血液の凝固を防いで心筋梗塞 を防止したり、血清コレステロール を下げ、動脈硬化を防ぎ、アトピーを改善するなど多くの点で健康に良いのです。
日本に魚を食べる習慣があるのは、ありがたいことです。
子どもたちにぜひ伝えましょう。
特に、「だし」などのうまみを知っていると、脂肪が少量でもおいしく食べることができます。
幼いときでないと、うまみのおいしさを覚えられません。
「食育」の参考にしてください。肉の脂身は高エネルギーでおいしいですが、肥満が心配な方には要注意です。
肉の赤身と脂身のカロリーは7倍も違います、80グラムの肉で10グラムが脂身の場合、赤身(70グラム)と脂身(10グラム)のカロリーは同じですから、脂身を除けばエネルギーは半分になります。
コレステロール も意外に多いですが、肥満の心配のない方は楽しんで食べても構いません。
ちなみに、魚と肉は脂肪の少ない部分を毎日合計2点取れば、大人には十分です。
育ち盛りには1~2点足します。1点の分量は脂肪のない肉で50グラム(薄切り肉で約2枚)前後、
中アジ1尾または切り身1切れ程度です。
| 女子栄養大学学長香川芳子
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