終末のフール/伊坂幸太郎

2009.10.23

**ivh**
またまた読書日記です。秋ですねぇ～　 8年後に小惑星が衝突し、地球が滅亡するという事が判明してしまい、それから5年後の話。つまり、あと3年で地球は滅亡する頃。自分なら一体どうするだろう、どうなってしまうだろうと思うんだけどこの物語に出てくる人たちの妙にリアルな姿に、やっぱり自分も普通にこんな風に淡々と過ごすしかないんだろうなと思ってしまいます。 8年後に地球が滅亡する！というニュースの直後は世界の人がみな自暴自棄になり、強奪や暴力は当たり前の酷い世の中になってしまう。でも5年も経つと妙な平穏が訪れる。騒ぐのに疲れたのか、自暴自棄の人たちが死んでいなくなったからなのか…。それにしても、私が想像し得る以上に、終わりを知った世界の変化の可能性というのは色々あるなぁと思います。少しでも安全な場所（？）を求めて人が移動し、ひどい渋滞が起きるのは、まぁ想像できる。人々が投げやりになって、犯罪が増える。皆が働かなくなる。物の流通が止まる。官公庁やが機能しなくなる。ＴＶが写らなくなる。 ‘ノアの方舟’的な新興宗教が増える。妙にリアルなのは、なぜかお金は流通している事。お金を持っていても、あまり意味はないんだけど、物を買うという場面でお金をやりとりする手続きはなぜか守られている。やっぱり人は、慣れた生活習慣を、容易に止めることができないんだよね。黙々と日々を過ごす人たちの様子を黙々と読み終わってからあぁこの世界がもっと続く状況で良かった！と思うのです。ちなみにうりの図鑑によると、太陽は現在46億歳。あと50億年は輝き続けるとの事。まだまだ地球に住めますよ～♪良かったよかった。

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最終更新日 2009.10.23 23:52:53
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