カテゴリ:偏見、差別、高慢
キンバリーさんのコメントに対してわたしは「日本人の民族性で韓国人の欠点を補った者(故人)もいますが、ことあるごとに韓国人の悪口を言っていました。」と書きました。
これ、うちの母のことなんです。 ですから、わたしは日韓双方の民族性を持っています。 うちの母方の祖父母は祖父が韓国人で祖母が日本人でした。大恋愛で結婚したと、在日1世のおじいさんやおばあさんが教えてくれました。 誰もが認める大恋愛だった祖父母ですが、祖母は韓国人が嫌いでした。祖父を訪ねてくる韓国人の友だちを、祖父が在宅中でもいないといって追い返したり、客間にいる祖父の同胞の友だちに早く帰りたくなるように、色々いじわるを言ったりしたりしていたそうです。祖父はおとなしい性格で友だちに謝って帰ってもらっていたそうです。 うちの父は母と結婚してすぐそれらの状況を見て祖母に注意をしたといっていました。家族の友人に非礼なことをするのは良くないと…祖母は全く受け付けなかったそうです。 祖父にも韓国人であることを責めるような事も言っていて父は耳をふさぎたくなったと嘆いていました。 うちの両親は母の実家では暮らしておらず、近所に住んでいたんです。後に仕事の都合で別のところへ引っ越して兄と私が生まれました。 母も祖母の差別意識を引き継いでおり、うちの両親はその差別意識のことでよく言い争いになったと言います。 母の言い分は 「わたし、日本人だから。韓国人の血が入っているのは数かしい。韓国の文化よりも日本のお茶やお花の文化のほうが上。でも、キムチを食べるし差別なんかしてないし、そんな意識もない」 と言うものでした。わたしもそういう言い分を聞かされました。 どちらかの民族性に偏って自己肯定をしたりする母の姿が、亡くなって3年経ちますが今でもとても胸を締め付けます。 うちの父は、民族的アイデンティティは大事だけど、自分の民族性の肯定のために他の民族を貶めることを言ったりしたりするのは下劣だ、と常々言います。 わたしは、そんな父の姿に共感を覚えます。 これだけ、人の行き来が盛んになるとダブル、トリプル、様々な民族性を両親や祖父母から引き継ぐ人が生まれてくると思います。 わたしもその一人です。 どちらかの民族を選べと言われても選べません。どちらも肯定して生きていくためにしなければならないことがあると思います。 わたしと同じように二つの民族を持つ人が、家庭内の隠れた差別に苦しんでいたりします。傍から見れば、家庭内の差別は分かりません。むしろ、マイノリティと結婚したから、差別意識がないと思われがちなのですが、そういうことでもないことが色々分かってきました。 あまり目を向けなかった韓国の国内のこと、そして身近なところで起きた、そして起きている差別のこと。わたしには何が出来るのだろうと、日々逡巡しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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