いつも変わらずそこにある事の大切さ
昔、北浦和にもスターバックスがあったのを知ってますか?そのスターバックスが閉店した時に、残念だとか、寂しいとか悲鳴にも似た声がSNSにもたくさん出ていました。僕も常連ではなかったのですが、大切な打ち合わせの時には必ず利用していたので、なんか残念だったし寂しい気持ちになりました。でもスターバックスがなくなって美味しいコーヒーが飲めなくなるかといえば、そうでもなく美味しいコーヒーは北浦和でたくさん飲めます。むしろ激戦区でより上質なものを低価格で飲めたりします。コンビニのコーヒーだって今はかなり美味しいですから十分こと足ります。だからコーヒーだけでいったらたいして困らないし、大きな問題ではないのです。でもこの寂しさはなんなのかと考えるとやっぱりコーヒーそのものでなく、お店(スターバックス)が一番に提供していたのは「場」だったのだと思います。そしてその「場」と一人一人の、その時その時の「思い出」が重なってとても価値あるものとなっていたと思うのです。意識しないと、よく分からないですが「人は思い出と共に生きて」いて、思い出が人生を支えたり、糧になったり、もっと言うと彩ったりしている。尊敬する上司に怒られた後にここですごく前向きになれた久しぶりに会う大切な両親とここで待ち合わせた初めての彼女にはここでドキドキしながら告白した入りたくて仕方なかった大学に合格できた興奮をここで冷ましたお店の閉店は単に「場」を失うだけでなく、そんな大切な思い出ごと、まるごと失うような気がして辛くなる。それが寂しいという感情の本質のように思います。それは今回のスターバックスに限った事ではない。僕らのような小さなお店も同じことではないかと思うのです。お店はみんなの大切な思い出を預かってる場所とも取れて、いつもお店に来る人にとってもしばらく来なくなっている人にとっても「いつも変わらずそこにある」「あり続ける」てことがやっぱり何より大切だと今はすごく思うのです。もちろん、お店を続けるのは本当に大変で楽しいことばかりではありません。ですが、お店にはまた一つそんな大きな役割があると思うと結構勇気が湧いてきます。そしてお店って本当にいいなぁって心から思うのです。もうすぐ創業17年、18年目に入ります。続けていく事が支え、応援してくれた方への一番の恩返しだと思って、これからも頑張ります。