『モールス』
レイトショープレミアシートで観てきました原題『LET ME IN』【モールス】Let Me In!分類はロマンティックスリラーでしょうか 原題で何が主題かわかります一言感想恐ろしいけど恐くはなく、切なくそして切ない80年代前半という時代設定と、色味もフォーカスも抑えられた画面に、おばさん世代は郷愁に誘われます 胸がキュンとする切なさと、憐れな切なさが入り交じり、エンドロール中ちょっぴり余韻に浸れる、初恋物語です たぶん切ない恋をしたことがある大人向けです以下はストーリー主人公オーウェン12歳。離婚調停中の母と郊外の集合住宅に住む、同級生にいじめられている孤独な少年。母はきちんと子育てをしているが、元夫との話し合いのストレスから酒に逃げている。隣の部屋に60代くらいのくたびれた父と越してきた同い年の少女アビーとひそかに仲良くなる。恋心を持って接していくが、やがてアビーが人間ではないことを知る。アビーの部屋で見せられた写真には、今の姿かたちのアビーと、自分と同い年くらいの顔にアビーの父と同じあざがある少年が幸せそうな顔をして写っていた。アビーは齢のわからない吸血鬼(あるいは悪魔)で、父親だと思っていたのは彼女を『保護』している『昔は少年だった』男性。男性が人を殺して血を抜いて持ち帰り彼女に飲ませて、犯罪がばれそうになるたびに引っ越しを繰り返してきたのだ。ある日、殺人に失敗して、男は彼女の存在が知れないように、自ら命を絶つ。けれど、一人の刑事がアビーの存在を嗅ぎ当て、アパートのドアを蹴破って乗り込んでくる。刑事のせいで陽にさらされ絶体絶命のアビーをオーウェンが助けて、その場で刑事はアビーに喰い殺される。パニックになるオーウェンに血まみれのアビーが近寄り抱きしめると、オーウェンもアビーを抱き返す。原題のLET ME INは、悪魔や吸血鬼がその部屋の住人に迎え入れられないと部屋に入れない、という事から以下は結末一人で引っ越していくアビーをオーウェンは涙で見送る。学校のプールでいじめっ子グループに頭を押さえられておぼれそうになっていたオーウェンだが、プールが血に染まりアビーが戻ってきたことを知る。オーウェンは家を出てアビーとともに旅に出る。結局、アビーといわゆる“恋の逃避行”をすることになったオーウェンも何十年後には死んでいった“くたびれた老人”と同じになる、という切なくて、でも、幸せそうなオーウェンの顔を見るときゅんとするラストでした