私と猫と編み日記-幸せな女と思われたい-

私の家族は完全に甘党だ。

父親なんて、
お腹壊してるのに、
治った振りして、アイス食べますからね。
もうね、ほんと子供。

食べ終わった後に、
アイタタタタタって始まりますから。

母親は甘さ控えめなんていう物を認めてない。
何のために？って言ってる。
なんで甘さ控えなきゃいけないの？って。

喫茶店で出る、小さい角砂糖を
こんな小さいの意味がないよね。って言った私に

意味なくても、それでも、コレステロールは全然変わってくるのよって言った。

おやおや、と感心してたら、
少し思いつめた顔をして

でも・・・・・・・・と言い出した。

なんだろう？と思ったら

入れて意味ないんだったら、そんなの入れないほうがいいわねって言ってた。
で、角砂糖を食べてた。
究極。

二日酔いの身体を引きずって、
父親が食べたいと言う最中を
大阪で買ってきた。

1週間の日持ちだけど送る？と今朝メールをしたら

母親から
明日の夕方、お父さんの会社に行って渡してくださいと返ってきた。

待ち合わせの話になって
またこれが、
例のごとく、全く持って
メールを使いこなせてないのが
母なわけ。

絵文字とかも滅茶苦茶なんですよ。
完全に必要ない絵文字織り込ませすぎだかんね。

で、返ってきたメールが

「ポストのところで」

あー出たーって思って。
ポストって結構東京にいっぱいあるわけ。

父親の会社のビルなんて
すげぇ、大きいわけ。
ポストが一個かどうかなんて、
ほんと疑わしいのね。


えー？なに？どこ？って。
当然聞くわけですよ。

そしたら、

階段のところ
靴屋の前の階段のところに
ポスト郵便ポストがある

って。

あんね、
やたら、単語を繰り返しなわけ。
しかも、繰り返してる割には結構説明が下手。

えー？なになに？ってなるわけですよ。

そしたら、いよいよ電話がかかってきましてね。

ホントにあんた馬鹿よ！って
連呼してるわけですよ。

かっちーんって来ました。私。

んで、電話ブチっと切りました。

お土産を買ってきてね、
妙に高い最中を買ってきてね
結構二日酔いのなか買いに行ったら
その店が休みで。
他の店舗まで行ったわけですよ。

何度も言うけど、二日酔いで。

それでね、馬鹿とか言われて、
ほんと、買ってこなければよかったと思って。

こっちも、父譲りの短気ですからね。

もう、電話出ません。
メールも返しません。

流石に失敗したと思ったのか
姉の携帯電話にひっきりなしにかけてきてました。

もう、
送ります
をこっちは繰り返して（姉に言わせた）
向こうは向こうで
一度決めたのだから、
最初の受け渡しの通りにしてください（姉を通して）
とか言い返してきちゃって
ほんと二度目のカチコーンですよ。

つうか、誰が頼んだんだっつーのって。

そしたら、電話嫌いの父からかかってきました。

ぜってー怒られると思って。
奇面組っぽく、受話器から
三角の目した父親の顔が出て来るんじゃないかと思って
代わるのを渋ったんだけど
代わらなきゃ代わらないで怒られるから
渋々姉から電話を受け取ったら

せっかく買ってきてくれたのに
嫌な思いさせて悪かったなって謝ってた。

ああ、意地張って悪いことしたなーって思った。

この最中は、父が楽しみにしてた。
この前、会社の用で大阪に行った時にも買ってきたんだけど
持って行ったら、凄く嬉しそうにして
美味しい、美味しいと何度も言って食べてたのを思い出した。

それから、母は母で父にびくびくしているのを思い出した。
母は、昔から、怒られ続けてきたから
失敗しないように失敗しないようにと緊張して
余計に失敗する人なのだ。

だから、こうゆうとき、余裕がなくなるのだ。
早いとこ丸く収めようとして、焦って、
言い方が雑になる。
それに相手がカチンと来ることなどお構いなしだ。
何よりも、父のご機嫌が大事なのだから。

長いこと、
離れて生活してきたものだから
私は、自分の育ってきた家を忘れてきているなと思って
少し、笑ってしまった。

明日会ったら、父は私に妙に気を使うだろう。

母は母で、きっと今頃クヨクヨしているだろう。

それでも、またみんなで顔を合わせるときは
全くあの時はねーって
笑い飛ばすことが出来るのだ。

最中一つで
こんな大騒ぎになる家族が
なんだかんだ言って、平和に思えて胸が温かくなった。

その最中の感想は
きっとこの騒ぎの後だから
母親から、大げさなくらい美味しかったと
近々報告がくることだろう。

その時、私はもう怒っていない。
母譲りの脳天気ですっかり忘れてしまうのだ。
そして、ああ買ってきて良かったなーと思うのだ。