私と猫と編み日記-幸せな女と思われたい-

あるところに、リツ子という女がいました。

リツ子はとても短気で欲張りでだらしのない人間でした。

今日は彼女の買い物の品が届くので
仕事も明日に回して
我先にと会社を出て、足早に電車に乗り込み家に帰って来ました。

マンションの下で、
彼女は気が付いたことがありました。

軽い気持ちで歩道に止めた、リツ子の自転車がなくなっていました。
彼女は短気なので、
自分のマナー違反を棚に上げて、
すぐにカーッとなりました。

キョロキョロすると、
彼女が止めたであろう場所に張り紙がしてありました。

自転車撤去のお知らせでした。

それを見ると、
引取場所は、彼女のマンションから50メートル先辺りでした。
引取にかかった金額は2000円となっていました。

彼女はたった50メートル先へ持っていくのに
2000円も掛かるなんておかしいわと呟きました。

それは、マナー違反に対する罰金だということを
欲張りな彼女は気が付かないのです。

彼女はプンプン怒りながら、部屋に帰り、
お届け物を待つことにしました。

彼女はせっかちなので、
何かを静かに待つことができません。

だらしなく溜まった洗濯物に気が付いて、
重い腰を上げて片付けることにしました。

彼女はランドリーバックを持って
ベランダに出たとき、
あっ！っと声をあげました。

なぜなら、彼女の真新しい洗濯機が
ベランダから忽然と消えていたのです。

彼女は呆然としました。

自転車といい、洗濯機といい、
自分にストーカーがいるのではないかと考えました。
頭に血が上りやすく、すぐに周りが見えなくなってしまうのです。

彼女のマンションは、
今、壁の塗装工事をしていました。

少し落ち着いて、
彼女が周りを見ると、
洗濯機はベランダの上の足場に上げられていました。

塗装するのに、汚れるといけないと思い、
工事の人が上げてくれたのでしょう。

でも、彼女は短気なので、再びカーっとなりました。
物への執着心が強いので
新しい洗濯機を壊されはしないかと心配なのです。
少しでも傷が出来てたら
きっと彼女は不動産屋へ殴りこみに行くことでしょう。

お届け物が届いた後、
フランス語学校の
友達たちと飲みに行きました。

友達たちは、秋もしっかり学校に通い始めたのに、
だらしない彼女は、お金を貯められなく
学費を払うことが出来なくて
お休みすることになりました。

彼女は友達の授業が終わる、
少し前には行っていると約束したのに
時間の頃、まだ電車の中でした。
暇なくせに、
時間を守れないのも彼女の悪いところです。

飲みながら、
彼女はよく喋ります。

お会計の時、一人4千円と言われたのに
せっかちな彼女は、よく確認もしないで
喋りながら財布を探ったため、
彼女は3千円しか出していませんでした。

しばらく、それにも気が付かず
彼女は、自分は出したと言い切りました。

でも、財布の中を見てみると
千円札はきっかり4枚しかなかったのに
1枚しっかり残っていました。

慌てて出した千円を見て
友達たちは、いいのよと言ってくれました。

彼女は図々しいので、その好意にすぐに甘えました。

彼女らしい一日でした。











名前を変えてみましたが、
もちろん、この駄目人間の彼女は私です。

ところで、あの洗濯機、
ちゃんと戻してもらえるのだろうか。

今の私の悩みです。
（洗濯機じゃなくて、自分の性格を悩みなさいつーコメントはいらなくって・・・・）