私と猫と編み日記-幸せな女と思われたい-

年内最後の我慢だと思って
ほんと、電話が掛かってきたときは覚悟しましてね。

またまたうっかりまたまた
取引先のオバサンなんだけどもね。

今度は、４人で会いましょうっつって。

まーまだましかなっつー甘い考えの下、
銀座までノコノコ出かけて行ったんですけどもね。

なんつーかなー。
すっごくいい店があるのよ。
ってオバサン言ってんだけどもね。
出てきた料理。
もうね、一口に言うと
とにかく、おいしくない。
もうね、最近こんなに美味しくないもの食べた？って。
味なんかあったものじゃないかんね。
とにかく、全部がしょっぱい。

これね。
ほんと、あたしでも
もっと上手に作るっつーの。
料理人、語れるっつーの。
一番、美味しかったのは
杏仁豆腐（多分、既製品）。
ほんと、参った。
そもそも、話も弾まない顔ぶれなのに
痛恨の沈黙でした。
あたしだけ・・・。


なんつーか。
店構えだけじゃわからないっつーことですよ。
あたしなんてね
店構えどころか
毎月の自分の部屋の家賃だけで
いっぱいいっぱいってとこありますけどもね
ぜんぜん、ここより美味しい（自己評価）ものを
作れますからね。
ほんと、ここが評判いいなら
あたしの部屋に行列が出来てもおかしくないくらい。
そんくらい。

つー不消化な気持ちを抱えたまま
お茶を飲みに行ったんだけどもね。

まずね、びっくりしたのは
あたし、ほんと居眠りしそうになった。

そのオバサンの息子自慢を聞きながら。
ほんと、それこの前も聞いたって言いたかった。

人の振り見て我が振り直せじゃないけど
人の話を聞くうえで
一番楽しくないのは
自分の子供の自慢ね。

成長記録はいいんですよ。
一番いけないのは
自分の子供が
頭がいいとか
顔がいいとか
どこそこのいい大学を出てるとか。

ほんとね、
他人のあたしからしてみると
で？
っつー一言に尽きる。

結局、そうゆう自慢をする人は
自分の希望や夢を
自分の子供という分身に
託したのだろうか。

それで、幸せなのだろうか。

とあたしは思ってしまうけれでも
何もかもを
自分で、自分の手で掴んで
自分で幸せを手にしたいと思うあたしは
欲張り、心が狭いの一言に尽きるのかもしれない。

だから、あたしは
結婚どころか
恋愛さえもままならないのではないかと
ようやく開放されて
銀座をぶらぶらしながら考えていた。

あの人は、今頃何しているんだろうかと
地下鉄に乗って
一路新宿に向かった途端
電話が鳴った。

全く持って
タイミングというタイミングが
あたしたちは合っていない。
ＧＰＳを持たせたいくらい。

今何処？
と聞かれ、
霞ヶ関にいたのに
「えっと。銀座（の近く）」と答えたあたしも
意外と女っぽいところがあるのだなぁと
少しほっとしつつ
あのオバサンのようにはなりたくないと
硬く誓った
日曜日の夕暮れ。

年末は嫌でも近づいています。