私と猫と編み日記-幸せな女と思われたい-

母方の祖母の家に行くことになった。

まずね、あたしは行きずらい。

何が嫌だって
あたしの顔を見たら
「結婚は？」っつー
ややこしい質問をしてくる
母の兄の嫁がいる。

そうゆうデリケートな質問をするなって
いつも言いたい。
あんたに言われなくても
出来ないことは、
生みの親の母が重々承知。
つーか、本人が重々承知。

つーか、つーか、
おめぇの息子（従兄弟・34歳）だって
結婚どころか、就職もしてねぇじゃんって
言いたくなる。

人の事より、自分の事って
ほんと、言いたい。

だけど、今回は
その叔母がいないっつーから
俄然行く気になりましてね。

オッケーオッケーって付いていった。
母は兄、妹２人つー
結構な人数を持ち合わせてる家族で育ってて
その母の兄の嫁を除けば
他はみんな凄く話が出来る楽しい人達なんですよ。

母の実家の最寄り駅（一応東京都）に
母の一番下の妹の叔母が迎えに来てくれて、
そのまま昼を食べに行ったんだけどもね。

その母の妹の旦那。

ほんとね、誰も見てなかったら張り倒してるところなんだけども
幾つになった？って聞いてた。
ほんと、余所見しながら、28歳・・・つーか
もうすぐ29歳って答えたんだけどもね。
結婚は？って聞いてきた。

おめぇよって。

あんね、ここに、母と妹と一緒に来てる時点で
空気読めっつーの。
もし結婚してたら
ここにいないか、連れてきてるっつーの。

予定なしです。
っつったら、すげぇ、大丈夫っつー顔してた。
まだね、残念顔のほうが救われます。


さてと。


今年、９０歳になる
あたしのおばあちゃん。

もうね、嫁姑戦争で言ったら
完全に嫁（母の兄の嫁）にやられてるタイプ。
もうね、疑いようもなく、優しい。
祖母に会うと
あたしの子供の頃の優しい思い出が蘇って
うっかり涙が出て来る。

もうね、座っててっつってんのに
あれ？ビールある？なんつって
イソイソ台所に行っちゃうんですよ。
もうね、ビールとか食べ物とかいいからって。

座ってて！っつってんのに
これあるよ、あれあるよって動いてる。

あれ？って。


これ、あたしの母親にそっくり・・・・・。


あたしは、この年になってようやくそれに気が付いた。

母は紛れもなく祖母の子供なのだ。
あの世話焼きは、
祖母譲りなのだ。

母は亡くなった祖父に顔はそっくりだ。
それを言うと
母は嫌がるけれど
紛れもなく、年々祖父の顔に似てきている。

血は争えない。

あたしは、血と言うもの繋がりを見たような気がした。

こうやって、家族は受け継がれていく。

帰りの電車で
あたしは、殊更よく喋った。
それは、何か喋ってないと
考えてしまいそうだったから。

祖母がいなくなった時
母にはあたし達子供がいる。
だけど、母がいなくなった時
あたしの側には誰かいるのだろうか。

それとも、誰かが側にいなくても
大丈夫な人生を見つけているのだろうか。

その両方ともに
皆目自信が持てなくて。

あたしが母に
あたしより長く生きてねと言うように
母も、祖母にそう思っているのだろうか。

血。
それは、うっとおしくも
温かいものである。

あたしは少し不安を抱えながら
ひっそりと冷たい自分の部屋に帰ってきた。

ここから、また、
今年もいつもの生活が始まるのだろうか。