私と猫と編み日記-幸せな女と思われたい-

最初からね、
微妙な関係だなーとは思ってたわけ。
これね、すぐね、崩れるなって。
予想はしてた。

だけどね。
なんとかやって行こうよって事は
散々、言い聞かせてみたんだけど。

向こうも渋々、
じゃあ、取りあえずって格好で
関係を築いてくれてた。

でもね、やっぱりね。
ついにこの日がやってきた。

騙し騙しにも、限界があるってことを
今回は学んだ。

自分にね、嘘を付いても
結局、どこかで付けが回ってくる。

嘘を突き通せるほど、
あたしは大人に成り切れない。

その嘘に黙って付き合えるほど、
向こうには気力がない。

こうなることが
あたし達の運命だったんだよね。

これで、よかったんだよね。

私たちはこの先、
きっと二度と出会う事もない。

でも、きっと、忘れないよ。












えっと。









なんの話かっつーと。
あたしの包丁なんだけどもね。

姉との別居の原因は色々あるものの
きっかけとなったのも
この包丁ってやつでしてね。

なんとなく、
避けたい話題だったんですけどもね。

つーか、包丁にはおっかなびっくり。

いい包丁なんてろくなもんじゃないわっつーことでね。

引越し貧乏の名を欲しいままにする為にも
100っ均っつー
素晴らしきかなこの世界の便利っつー場所で
もちろん100円の包丁を手に入れて
切磋琢磨っつーか
せっせと料理を毎日してたんですけどもね。

この包丁ね。

最初から、切れねぇの。

びびった。
ほんとね、使い古しかと思って。

まずね、南瓜とかにね
刃が立たない。

刃が付いてるがどうか怪しかった。
むしろあたしの体重で切ってました。
つーか、割ってました。
切るっつーよりも。
季節はずれの、西瓜割り大会っぽくなってた。

ロールケーキもね、
全然切れない。
もうね、ノコギリかと思った。
痛恨の日曜大工。
ロールケーキ、
完全に楕円形になってましたからね。
しかも、結構細目。

あとはね、野菜の皮剥き。
まずね、切れないくせに
やっと剥けた時は、厚め。
絶対、エンゲル係数に響いてるだろーっつー
疑いのまなざし。

でもね、あたしは気が付かない振りをしてきた。

なんとか、やって行けるよ！って励ましあいながら。
（お互いに愛着はなし）

それがね、
ここに来て急に、いけなくなった。

切れない切れないって言ってたけど
そんなのまだかわいいものだったわけ。
全然ね、刃、付いてた。
つーか、全然切れてた。

南瓜をね、切ろうとしたら
まったくもって、切れやしない。

ここは、全体重をっつー事で、
腕まくりなんかしてね、張り切ってみたんだけども。

あたしの体重じゃ軽すぎる（なんて、いい響き・・・・）。
朝青龍、ちょっと来てー！って言いたかった。

みじん切りに関しては、
潰してました。

力任せもいいとこ。
つーか、むしろそれのみ。

ウィンナーの切れ目さえ
入れるの困難って状態。

あの包丁、瀕死。
間違いなく。

つーか、もうね、
単なるハガネ。
刃、付いてない。


今迄、切れない切れないって散々罵倒してきたけども
結構、あいつ、頑張ってくれてたんだなーって思って。

文句言って悪かったな・・・。

って言いながら、
今朝、燃えないゴミに出してきました。

その辺、結構アッサリ目。

さ、新しい包丁を！
って思って
帰りしなに東急ハンズで物色したんだけどもね。

気が付いたら、
100円包丁をすんなり手に取ってました。
多分、もののけが憑いてた。

さて、2代目とは
どんな関係を築いて行けるのか。
（多分、冷えた関係）

興味ある方は、
妄想でもしといてください。