スペインを旅行したとき、セビリアでフラメンコを観ました。今日は、そのときのお話です。セビリアといえばスペイン、情熱のアンダルシア地方の玄関口。フラメンコの本場の地であります。
というのは、フラメンコのメジャーな演目であり、メリメ作のかの有名なカルメンは、ここセビリアのタバコ工場の女工として描かれているのです。
このときのフラメンコの演目はもちろんカルメン。美しい女性ダンサーと中年だけど渋~い感じの男性ダンサーとの絡み方が情熱的で、目を離せないほどでしたが、一番の魅力は華々しい衣装を身にまとったこの女性ダンサーたちの間近で繰り広げられる踊り!フラメンコ特有の「オ~レ!」なんて掛け声を周りの観客と一緒にかけました。
夫婦でサングリアを片手にほろ酔いながら、本場のフラメンコを観る...こんなに素敵な夜の過ごし方はありません♪楽しい時間もあっという間で、ショーも終わり、宿泊先のホテルへ帰らなければいけません。時計を見ると夜の11:30。その劇場の係員にタクシーを呼んでもらうことにしました。が...やんわりと拒否。係員いわく、「この目の前の通りはタクシーがつかまるから、大丈夫よ。」ってことでした。
その言葉を信じてしばらく待ってみるも、なかなかタクシーがいない。いたと思ったら、他の観客がつかまえて、乗り込んでいく...。「きっと待っている位置が悪いんだ。」とちょっと場所を変えてみて、またしばらく待ってみる...。そんなことをしているうちに、団体客はバスで帰っていき、劇場は閉まり、人もまばらに...。「途方に暮れる」とは、まさにこういうことです。
こうなったら待っていても仕方がないということで、とりあえず歩いてみることにしました。霧雨が降っていてちょっと肌寒い。タクシーが走っていないどころか、車自体が走っていない。人影もまばらで、心細い感じでした。
途中、ホテルがあり、駄目もとでフロントの人にタクシーを呼ぶようお願いすると、なんと呼んでくれるというじゃないですか!「これでやっとホテルに帰れる~!」とホッとしました。ありがとう!フロントのお兄さん!と喜んだのも束の間...こういう雨の日は、タクシーの回線がつながらないのだとか。
ホテルを出て、また歩き出しました。そしてやっと、タクシーが走ってきたのです。「乗せてくれ~!」と渾身の思いを込めて手を上げました。もしかしたら、手を振っていたかもしれません。わたしたちの思いが通じて、タクシーは停まってくれました。この日ほど、タクシーの運ちゃんに感謝した日はありません!
無事にホテルに到着。時計を見ると夜中の1:00過ぎ。セビリアの長~い夜でした。
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そもそもこうなってしまった原因は、「ホテルの立地が悪かった」ことにあります。「セビリアの夜はやっぱり本場のフラメンコを楽しみたい!」ということで、日本の海外ホテル予約サイトを通じて、セビリアの街中立地のホテルを予約していたのですが、出発の3日前にそのサイトの人から電話が...
ただ事じゃないと話を聞くと、その予約していたホテルがオーバーブッキングになったから、別のホテルに移ってほしいとのことでした。 その代わりに、予約していたホテルよりグレードの高いホテルにするとのことでしたが、立地が劣るのです。街からは明らかに離れている...。
とはいっても、月曜日に出発をひかえた金曜日の出来事。土日はそのサイトにリアルタイムで問い合わせできないので、「他のホテルを確保してキャンセルする」という手段も取れない。ってことで、泣く泣くそのホテルに泊まることになったのです。 なかなか慣れない海外旅行。ホテルは立地が大事だと痛感した経験でした。 |