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カテゴリ:英語
先日、大きい姉ちゃんの中学の授業公開がありました。いつも自分の子供のクラス以外に、各学年の英語の授業を見て回っています。先生によって授業の進め方も色々で興味深いです。
昨年度、ちい姉ちゃんの小学校で算数少人数の講師だった先生が、今年度は大きい姉ちゃんの中学の英語の先生(元々地方の中学の英語の先生だったそうな)になっていたので見てきました。ALTとのT・Tで、面白い授業ではありましたが・・・ 私が小学校の英語のレッスンでやってた内容と同じだわ・・・ その学年の子は4年生の時に1年間私が英語の授業をした学年なので、全く同じようなactivityを3年前にやっています。小学校英語との連携がない現段階での中1の導入としては楽しいと思うのですが、やっぱり小中連携を図らないと、時間と労力の無駄は明白です。この程度の会話を使ったactivityこそ小学校で導入し、中学ではもう少しレベルアップして欲しいものです。 今、小学校、いや幼稚園、いやいやそれ以前のベビーから英語を習わせる親御さんが増えています(そんな小さい子の場合、絶対本人の意思ではないですが…)。小学生で英検3~2級に合格したとか、小学生で英語はペラペラ、などという情報が氾濫する昨今、それはごくごく一部の、たまたま語学に興味も才能もある子や親が熱心にサポートしたりでそうなった特殊なケースなのに、早くから始めれば皆がそうなれるという妙な錯覚を起こさせているような気がしてなりません。私はそういう子達が将来どうなるのか興味津々です。だって、私達の世代でも英語が得意な方はいます。大抵、中学から英語を始めたのです。でも、好きで一生懸命やれば、中学から始めたって上手になるし、話せるようになるのですから。 私はヤマハの講師も長くしていたのですが、ピアノもそうです。早くから始めればいいかというと、そうでもないのです。よく、早くから習わせた方がいいのかという相談を受けますが、子供が興味を持ってやりたいというなら3才過ぎていればいいけれど(ピアノは鍵盤が重いので、子供の指や骨の為にも3才までは勧めない)、ほとんどの場合、3才から始めても、6才から始めても12才の時点では進み具合はほぼ同じになります(勿論好きでよく練習して才能もある子は別ですが)。 英語もそうです。早くから始めて、勿論興味や才能のある子は確かに早くから芽を出す可能性はあります。でも、そうでない子の方が圧倒的に多いのも事実なのです。ただ、勿論早くから始めるメリットはあります。特に「音に慣れる」という意味では効果は大きいです。ただ、これも年齢が低いほど吸収は早いけれど、忘れるのも早いです。使わなければあっという間に忘れてしまいます・・・。 私は小学校での英語の授業は全て英語のみでやってきました。これが絶対的に全てにおいて良い方法かというと、そうでもないのです。例えば大人の私達が、全く知らない言語(例えばギリシャ語)で1時間中レッスンされたらどうでしょう? 実は、私は大学でスペイン語専攻だったのですが、最初の授業からいきなりスペイン人のネイティブの教授がスペイン語で授業を始めました。ほとんどの学生がスペイン語は初めてだったので、???の連続。何が何やらさっぱりわからず、次から次へと当てられ当然わからず間違えて怒(?)られ・・・という状態が1ヶ月続きました。外国語学部でしたし、入試では相当の英語力を要求される所だったので、外国語習得に関してはかなりの努力や経験・蓄積のある人間ばかりだったはずなのに、本当に皆苦労しました。それも主専攻なので毎日ビッシリ何時間もスペイン語の授業があり、とっかえひっかえ別のネイティブの教授がスペイン語でまくしたてるのです・・・授業が終わる度に、今の授業内容はどういう事だったのか、学科一丸となって話し合ったものです(笑)。 1ヶ月たって、やっと日本人教授による日本語での文法の授業が始まり、あ~、そういう事だったのか~と、やっと理解できたのです。そうなると進みはぐっと早くなります。ですので、ある程度知識レベルが上がった年齢に対しては、日本語で説明をした方が習得が早くなるのです。 8才位までは知識レベルより、感覚・想像能力が上回るので、この年齢までは全て英語(但し簡単平易な)で進める効果が大きいですが、これを超えると、理解できない物に対する不安や嫌悪が出てき始めるので、知識で理解させる(日本語で説明)事を加えていった方がよい場合があります(今までの英語経験などにもよりますが)。 こういう事を踏まえて、必修化の決まった小5(10才)からの英語をALTで英語だけで…となると、ちょっと難しい部分が出てきます。どうせ始めるなら抵抗の少ない3年生位から導入して欲しかったなぁ…。5年生になると結構知的レベルが高くなってくるので、言語(外国語)レベルが幼児レベル…というギャップが大きくなってしまいます。実は小3と小4の間にはとっても大きな差があって、ここでぐっと色んな事ができるようになってきます。知識レベルと感覚レベルがこの辺りで交差して、小4位から知的レベルがぐっと上がっていくからなのです。現場の先生方は当然この小3→4の大きな差を知っています。色んな事をきちっと検証して、行き当たりばったりではない、子供にとって最適な教育を実践して欲しいと強く切望する日々です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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