或る日のジミントウ続編
お待たせ、村野瀬さまのこの前の続編。 はじめ「 中川昭一氏GJ! アソウシ(総裁)「ナカガワシ、今回はローマでの大役、ごくろうさん。君は実に良い仕事をしたな。まあ、一杯やってくれたまえ。」ナカガワシ(財務大臣)「ははっ、頂戴いたします。(と言うや、一気にグラスを飲み干す)」ホソダシ(幹事長)「総裁、ちょっと待ってくださいよ。ナカガワシの酩酊会見の失態のせいで、アソウ内閣だけではなくて、われらのジミントウの支持率が前回以来、さらに下がっているのですよ。われわれを集めておいて、ジミントウの支持率下落のA級戦犯責 任者への慰労ですか。しかも酒付きで。実に良い仕事をしたなんてほめ言葉、いくらなんでも冗談がすぎますよ、総裁。われわれのこんな会話をまた村野瀬の奴 に聞かれて記事にされたら、ジミントウは責任政党という看板が泣きますよ。総裁、国会審議やぶら下がり会見や記者会見の時はともかく、われわれの内輪の会 議のときくらいは、きちんと責任をもって真剣に話をしていただかないと。」コガシ(選挙対策委員長)「そうですとも。こんな支持率で選挙戦を戦わなければならない責任者の私の身にもなってくださいよ。(ナカガワシをじろりとにらむ)」ナカガワシ(財務大臣)「...。(周りの話を聞かず、自分で勝手に注いで飲んでいる)」フルヤシ(広報本部長)「そうですとも。こんな支持率でジミントウが責任政党であることをアピールしなければならない責任者の私の身にもなってくださいよ。(ナカガワシをじろりとにらむ)」ナカガワシ(財務大臣)「...。(周りの話を聞かず、フルヤシのせりふの間にもう一杯自分で勝手に注いで飲んでいる)」ホ リシ(政務調査会長)「まあまあ、ナカガワシも、われわれの大切なバブル仲間、貴重な衆議院の三分の二の議席の一人じゃないか。今や衆議院の三分の二の議 席だけがジミントウの存在証明だ。そんな小さなことでか弱い政治家をいじめちゃいかん。彼もたくさん酒を飲むことによって酒税をたくさん払っている。アソ ウシと同じだ。彼がたくさん飲むことが景気対策だ。むしろ、そのことをアピールして、ジミントウは景気対策に率先して取り組んでいるということを示せるく らいだ。いつものとおり、D通の力を使えばいいだけだろう。」アソウシ(総裁)「その通り。さすが、当選回数の多いホリシ、よくわかって いるじゃないか。宣伝については世論操作の専門家D通にまかせておけばよいのだ。彼らはその道のプロだ。2005年の衆院選でわかるように、不利な情勢を 一気に世論操作で逆転できる力を持っている。心配はいらない。ジミントウだって、だてに60年以上、『責任政党』をサショウしているわけではないのだ。」ホソダシ(幹事長)「さしょう?詐称?...。総裁、それはひょっとして、『自称』という漢字を読み間違えたのではないですか?」アソウシ(総裁)「おお、そうか。あれは『じしょう』と読むのか。」フルヤシ(広報本部長)「...。勝手に自称しているわけじゃなくて、ジミントウは本物の『責任政党』なんです。雇用を守って国民の暮らしを安定させて『国民は食わねど高楊枝』精神を失わせようと企む悪の外様大名、労働組合を滅ぼすために日夜戦っている侍の集団なんです。」コイズミシ(キングメーカー)「まあそうむきにならなくてもよかろう。何が詐称で何が自称か、私にきかれたってわかるわけがない。ははは。ジミントウはおおらかな政党だ。郵政選挙の時に刺客を送って叩き出した議員をまたジミントウに迎えるという議席の二重取りだってやっている。それが政治の包容力というものだ。わははは。」ホソダシ(幹事長)「正確に言うと、ジミントウの包容力とは、権力にとどまるためには何でもする、ということなのですけどね。」アソウシ(総裁)「おっと、そんなことをうっかりしゃべって人に聞かれたらまずい。発言には気をつけたまえよ。」ヨ サノシ(財務大臣、金融・経済財政政策担当内閣府特命担当大臣)「前置きはもういいですから、なぜナカガワシが実に良い仕事をしたと言えるのか、そこから 総裁にお話しいただかないと。私もこれで大臣を三つもやることになってしまって、忙しいんですよ。みなさんほど暇じゃないんです。」アソ ウシ(総裁)「まあ、料亭での会話だから、酒が入って話が長くなりがちなのは当然だ。だが、たしかに、少しは真面目な話もしないと、最近は有権者もジミン トウが『責任政党』ではないと気付き始めているからな、少しは国民のために政治をしているふりをしなければいけない。なぜナカガワシが実に良い仕事をした と言えるのか、その話をしよう。君たちがまぜかえすから無意味に記事の行数が増えるのだ。おい、ナカガワシ、さっきから黙っているが、聞いているか?」ナカガワシ(財務大臣)「ははっ、頂戴いたします。(と言ってグラスをアソウシの方に差し出す)」ヨサノシ(財務大臣、金融・経済財政政策担当内閣府特命担当大臣)「...。ナカガワシのことは放っておいて、われわれだけで話しましょう。」アソウシ(総裁)「そうだな。では、ナカガワシが良い仕事をしたということを説明しよう。ナカガワシがローマでの酩酊会見のことで叩かれている間、アメリカのナントカいうVIPが日本に来ていたことを覚えているだろう。」ホリシ(政務調査会長)「総裁、いいかげん、アメリカのナントカいうVIPじゃなくて、おアメリカ様のキーパーソンの名前くらい覚えてくださいよ。ヒラリー・クリントン国務長官です。」モリシ(キングメーカーメーカー)「(突然大声で)おおそうだ、自慢じゃないが、私はヒラリーの旦那と直接話したことがあるぞ。"Who are you ?"とあいさつしたら、"I'm Hilary's husband."と言うから、"Me, too."って流暢な英語で言ってやったよ。わははは。」オオシマシ(国会対策委員長)「...それ、自慢になってませんけど。それに、そんな誰も覚えていない過去の恥を国民に思い出させる必要はないですよ。」アソウシ(総裁)「つまりだ、ナカガワシがお気に入りの官僚や新聞記者にそそのかされて飲まされた数杯の酒に酔った程度で国民にいじめられて...じゃなかった、批判されている間、ヒラリー・クリントン国務長官の来日目的である、グアム協定のことが目立たなくなったのだ。それからもう一つ、ナカガワシがローマでIMFのストロスカーン専務理事に9兆円の資金援助を約束したこ とも目立たなくなった。これをうっかり大々的に報道されたら、共産党あたりが、なんでその金を国内の雇用を守るために使わないのかとか言い出すからな。こ の日本国では、国民の税金を大盤振る舞いして海外の要人に感謝される快感を味わえるのはジミントウだけなのだ。要するに、ナカガワシは、自分の政治生命と ひきかえに、われわれが沖縄や野党から叩かれることを防いでくれて、われわれのジミントウ特権を守ってくれたというわけだ。」コイズミシ (キングメーカー)「そうだ。要するに、ナカガワシがいろいろへまをやらかして新聞に面白おかしく書かれて、アソウシの漢字の読み間違いが報じられる陰 で、われわれの世界征服の野望が新聞に大きく報道されて国民に記憶されてジミントウが警戒されるのを防いでいるわけだ。へまといえば、総裁もやらかしてい るけどな。そういえば、国際会議の後で酔っ払って記者会見に出てきたサルコジーという、ミモレットチーズくらいしか取り得のない国の大統領もいましたな。 そのナントカサルコジーという奴の酔っ払った様子は、村野瀬の奴も書いていたのを覚えてるだろう。」モリシ(キングメーカーメーカー)「おお、そうそう。ミモレットチーズ。あの時は楽しかった。えひめ丸のときの苦い思い出を忘れさせてくれたしな。コイズミシ、また飲もうじゃないか。これだから権力の味はやめられない。わははは。」ヨ サノシ(財務大臣、金融・経済財政政策担当内閣府特命担当大臣)「また脱線ですか。しかも、ジミントウのそんな重大な失態を思い出していたら、われわれは 本当に『詐称責任政党』になってしまいますよ。今のところ、国民の記憶力が悪いおかげでわれわれは助かっていますけどね。いいかげん酔っ払いのバカ話はや めて、政権浮揚策を話しませんか。これではとてもナカガワシにもジミントウにも及第点はつけられませんよ。」フルヤシ(広報本部長)「そうですとも、これだけ叩かれたら、ナカガワシと一緒にわれわれも一桁台の支持率の奈落の底に落ちますよ。」コイズミシ(キングメーカー)「大丈夫だ。D通だけではなくて、A日新聞も最近は新自由主義の味方だし、かんぽの宿の不透明な叩き売りをしっかり弁護してくれているしな。Y売新聞だって、ナカガワシのローマでの失態を見た越前谷知子という女性記者がしっかり見なかったことにしてくれている。S経新聞、N本経済新聞も言うまでもない。長い時間をかけてマスコミを手なずけたおかげで、彼らはすべてわれわれジミントウの味方なのだ。もちろん、グアム協定で手なずけてやったおアメリカ様だってわれわれの味方だ。」」 つづく