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カテゴリ:選挙
岩上:
平野貞夫さんは陸山会事件は、帝人事件が警察ファッショのスタートだったように、昭和の警察、検察ファッショの再来だと位置付けているが、小沢さんは無罪になり時が経ったのでお聞きしたいが、どう思うか? 小沢: 基本的には検察、官僚の頂点である彼らが、既得権を守ろうとして「それを奪おうとする者は絶対に許さない」として私を抹殺するというのが背景にあったと思う。それを政治的に、彼らのなすがままにさせたのが、自民党政権にはじまり民主党政権だった。 この問題は私個人の問題ではなく、未だ日本には民主主義はない。国家権力が自分たちのほしいままに権力を行使できる異常な国である。 まして、野党の党首で半年後に総理になるかもしれないという時に、後進国ではあるまいし政敵を潰すということが行われた。 岩上: なぜ彼らにとっては小沢さんは邪魔だったのか?小沢さんは何の虎の尾を踏んだのか? 小沢: いわゆる政官業の癒着。その中、最大の力を持っているのは官で、官僚機構の日本全国を支配するシステムを私は変えようとした。 我々日常生活すべてに渡る官僚の支配権は、もぎ取られてしまうから、彼らにとっては死活問題であり必死だったと思う。 中央官僚は官僚らしい仕事をしなさいと、地方のことは地方自治体に任せるべきだと、ずっと言ってきた。全ての支配権を持っていたのを失うのは彼らにとっては恐怖なんでしょう。 岩上: 孫崎享氏は戦後史の正体の中で、日本の中でおかしな形で政治生命を失った芦田さんや田中角栄氏などは、米国からの独立志向の人たちだった。鳩山さんも小沢さんも虎の尾を踏んだのでは?師匠の田中角栄さんが失脚していく姿を見て何を思った? 小沢: 日本は経済力もあり技術力もあり、それなりに頭もいいし従順な日本人で、これが米国の忠犬ハチ公でいることが米国にとってベストだった。 私はよくアメリカ人に言っていたが、そんなふうにいつまでも日本をみていると、いずれ偏狭なナショナリズムが台頭するよ、と。だから、日米関係を大人の関係、本当の意味での同盟国にならなければならないと。 米国は、今まで日本を忠犬ハチ公でいさせようとしてきたが、とんでもないツケを払わされようとしていて、とんでもないものを作り上げたというふうに今は変わりつつあると思う。 岩上: それは、日本が尖閣問題などを利用して右傾化していて、右傾化を利用して米国からの支配の離脱を狙った? 小沢: 日本人は心理的にアメリカに頭が上がらない。彼らのいきつくとろは、軍備が足りないという事になっていくだろう。 日本人がもう少し目を開いて見つめることが重要。たとえば尖閣で軍事的紛争になったら一気に右傾化に日本全体が流れていくことになる。日本人はすぐ感情論で突き進む。これは米国も中国ものぞんでいない事だ。 中国の歴史は漢民族の拡張の歴史であり、中国が世界の中心という覇権主義的色彩が強い国である。権力を維持するために強く出なければならないが、本気で日本と闘う気はないと思う。 ただ、それも非常に危ない。突発的に火遊びがドンパチになってしまう危険性がある。 岩上: 自民党改憲案について弁護士の先生とずっと話し合ってきたが、最近わかったことが、「宣戦布告」の下りがない事。宣戦布告は必要なく、「満州事変」のような事変でいい。突発的事故から戦争へと突き進めると…。 小沢: 仮にドンパチになれば、アメリカだって大変で、アメリカは手を染めたくはないと思うだろう。今の安倍政権の外交は、日中も日韓も日米も非常に危うい関係になっている。そして、もしドンパチになれば、日本国内の世論が一挙に沸騰して右傾化していく。 僕自身は「真正のナショナリスト」だと思っている。本当に国家と国民の安全を考えれば、そんな心情論での議論はできないはず。 岩上: 歴史認識問題について、安倍さん最近、最後に歴史家に任せると言う。 小沢: それは非常におかしい。政治家として事実を見つめる事が必要。歴史的事実はありのままに認める事に尽きる。 朝鮮半島の併合も軍事力を利用して侵略したのは事実であり、中国にしても最初は偶発的だったかもしれないが、結局は軍事力をもって制圧したのは事実。その事実を事実として認めることが政治家には必要。 ただ、あの当時は、欧米列強の帝国主義で、アジア、アフリカを侵略した。その時代で欧米の帝国主義に対抗するためには、守らなければならなかったものがあった。 それぞれの国の発展に大きく寄与したという歴史家もいるが、突き詰めれば「自分のため」だったという事は否めない。最終的に自国の権益の拡張のために侵略したということになる。 軍事力をもって自分の利益を守ろうと他国を侵略したことは素直に認め、中国、韓国も反日教育ばかりやっていて、いつまでも関係改善できない。元寇の時代までいうのか、ということになる。 日本が大きな気持ちを見せてやるべき。たとえば、当面、在日の地方参政権の問題があるが、在日の幹部から本音を聞いた。 みんな帰化したいんだと。日本人が「帰化せよ」というから余計抵抗するんだと。もう、既に3世4世は日本人であり、いずれはみんな帰化することになるが、日本人に言われると心にひっかかる、と。だから、まず日本人が度量の広いところをみせろという。 岩上: 在特会のヘイトスピーチについて、 これまでも在日の人に対するイジメや差別はあったが、今年に入って特にヘイトスピーチが横行し、公然と「在日ごきぶり死ね、皆殺しにせよ」などエスカレー トしている。そのような中で、一般の市民が「仲良くしよう」という動きが出てきたが、警察は「殺せ」と言い恐喝のようなデモ隊は取り締まらず、仲良くしよ うという人たちを取り締まっている。 小沢: ほんとに戦前の歴史の流れであったことと同じで、都合悪いことがおきると、全部その人たちの所為にするという、日本人の器量の狭さも問題。自分たちで問題を解決していくという気概をもつ事が大事。 警察も検察など、いわゆる「十手持ち」のいけないことは、弱い人を守るのが十手を持っている警察、検察の仕事なのに、逆に弱いものを取り締まっている。 岩上: ネトウヨと呼ばれる若者たちがネット上でいっぱいいて、アンチ小沢が多く、コメントがたくさん入っている。 小沢: ネトウヨの人たちから支持されているのかは知らないが、今の政治家はじめ俗にいう「右寄り」という人は、いかにも薄っぺらい。口先だけでどうだこうだと言っているにすぎず、本当にそう思うんなら自分で行動しろよと言いたい。 私は、自分は一番の「ナショナリスト」だと思っている。 岩上 エドワード・スノーデンという元CIA職員が、様々な情報を暴露している。米国の市民の情報を集め、世界中の政府や企業、個人情報を集め利用していた事実がわかり、ヨーロッパでは怒っているが、日本は全く抗議していない。 小沢: まあ、日本には秘密はあまりないが、それにしても政府は不甲斐ない。 いずれにしても、米国の政治的意図もあるが、官僚機構というのは肥大化していくということだ。不必要なものまで、どんどん広げていく。それを政治家がしっかり監視する必要がある。 今度のスノーデンさんのは、いい機会になるのではないか。米国だけじゃなく、ロシアやイギリスも情報集めではもっとすごい。イギリスは米国以上に情報を持っていると思う。 これはお互いがきちっと限度を守らないと、同盟国なら、それは話し合ってマナー、ルールを決めていけばいい。 ただ日本はそれに入れてもらえない 岩上: アングロサクソン諸国の諜報機関は「UKUSA(ウクサ)協定」を締結していて連携している。カナダ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランドなど、いわゆるアングロサクソン系には情報提供していた。ドイツもフランスも入ってない。 (諜報機関はアメリカはNSA、イギリスはGCHQ、カナダはCSEC、オーストラリアはDSD、ニュージーランドはGCSB)(参照) 小沢 それを頭にいれながら、どうしてもそういうことはある。こちらがきちっとした役割りを果たしていくしかない。 何もしないで「けしからん」といっても相手にされない。 お父さんブッシュの湾岸戦争の時は、アメリカは日本政府に対して4時間前に知らせてきた。イラクやアフガンの時は何も知らされなかった。 以前、小泉政権の時に「戦争になったらどうするんだ」と聞いたら、「その時の雰囲気だ」と言った。彼に同情すると、何も知らされてないから判断しようがなかったと。 日本はアメリカから、その程度の扱いしか受けてこなかった。だからこそ、自分たちの責任をはたしていく必要がある。 岩上: 原発について、将来の核武装のために必要だと政府の中にも右寄りの考えの人がいる。 小沢: それはある。だから原発に固執している。 2年半、原発が止まっても何ら不都合はなかった。 核武装というのは、軍事的にも政治的にも意味はない。軍事的には、北朝鮮のように何もなければ、核で誇示する必要があるが、日本は技術もお金もある。核武装しても核兵器は使えない兵器だ。使えない兵器に危険を冒してまで、なんでお金を使うのか。 政治的には日本が核武装したら日米関係がダメになる。アメリカは日本が核兵器を持つことを望んでいない。 岩上: 青森の六ヶ所村は、かつて小沢さんが力を尽くした場所だというので、どうしても聞いてほしいと青森のスタッフに言われている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年07月15日 06時37分23秒
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