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テーマ:映画館で観た映画(8570)
カテゴリ:洋画(あ行)
原題: OBSLUHOVAL JSEM ANGLICKEHO KRALE/I SERVED THE KING OF ENGLAND 監督・脚色 : イジー・メンツェル 原作 : ボフミル・フラバル 出演 : イヴァンン・バルネフ 、 オルドジフ・カイゼル 、 ユリア・イェンチ 鑑賞劇場 : シャンテ・シネ 公式サイトはこちら。 <Story> ヤン(イヴァン・バルネフ)は、1963年ごろ、共産主義体制下のプラハで出獄し、ズデーテン地方の山中に向かい、廃屋でビールのジョッキを発見する…。 ヤンの人生は給仕人の人生だった。 田舎町のホテルのレストランでのビール注ぎの見習いから、高級娼館“チホタ荘”に、そしてプラハ最高の美しさを誇るホテル・パリで給仕の修行をする、古き良き時代。 しかし1938年、ヒトラーのズデーテン侵攻でチェコスロヴァキアはドイツに占領され、 その時、ヤンは自分よりも小さいズデーテンのドイツ人女性リーザ(ユリア・イェンチ)に恋をしてしまう…。 英国王 給仕人に乾杯! - goo 映画 <感想> 評判がよかったこの映画、暮れに観たいと思いながらなかなか時間が合わず、 年を越しました。 奇しくもこの日は東欧2本。そのうちの1本目です。 イジー・メンツェル作品は初めてかな。 先日もシャンテで旧作の『スイート・スイート・ビレッジ』が、 リバイバルで期間限定でかかってました。 あと、『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』(→ これは観るのが辛そうだったんでスルーしちゃった)主演の、ユリア・イェンチも登場。 東欧色たっぷりな感じです。 これをせっかく見るのなら、20世紀のヨーロッパ史概況は必要となってきます。 ざっとでいいのでおさらいしておくと、話がよりわかります。 チェコとスロヴァキアに対してのドイツの侵攻・占領と、戦後の変革が、 この映画のキーになっていますので。 歴史が縦糸なら、横糸としては、 給仕人として生きた1人の男の人生です。 給仕をするということは、それ以上の地位には行かないということを意味している。 仕事で垣間見る金持ちたちの本性。 色と欲にまみれてもなお、快楽を追求し続ける醜い本質を嘲笑いながら、 でも結局彼だって、それが欲しかったり。 自分は背が低いというコンプレックスを持ちつつ、 自分よりも恵まれている人間の本質を見ることで、自分をひそかに慰めていたりします。
それにしても、豪勢な料理の何と美しいこと・・・。 宝石のような料理が食べつくされた後の、女体盛り!! 笑 お金と食べ物と花と・・・。 そんな日々を当時の東欧のお金持ちが送っていたっていうのは初めて知りました(笑 贅を尽くして全てを手に入れたら、 することってどこの国の男もみんな同じなんだなって(笑 禍福は糾える縄の如し。。。 ということなのでしょうか。 幸のあとは不幸がやってくる。 うまいことは続かないものだと我が身を嘆きつつも、 「これまで生きてきた人生もそう悪いものではなかった」と老境に思えれば、 その人にとってそれは救いなのではないでしょうか。 歴史に翻弄された人生の不合理さを恨むよりも、 流れに掉さして生きていった哀愁というのでしょうか。 そんなものを感じました。
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