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2009.02.28
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カテゴリ:邦画(あ行)

原題: LOVE EXPOSURE

監督・脚本・原案 : 園子温

出演 : 西島隆弘 、 満島ひかり 、 安藤サクラ 、 渡部篤郎 、 渡辺真起子


鑑賞劇場 : ユーロスペース


公式サイトはこちら。



<Story>


幼い頃に母を亡くし、神父の父テツ(渡部篤郎)と二人暮しのユウ(西島隆弘)。
理想の女性“マリア”に巡り合うことを夢見ながら、平和な日々を送っていた。

しかしテツが妖艶な女サオリ(渡辺真起子)に溺れてから生活は一変。
やがてサオリがテツのもとを去ると、テツはユウに毎日「懺悔」を強要するようになる。
父との繋がりを保つために罪作りに没入していくユウ。
そんな彼はある日、罰ゲームで女装している最中に、
ついに理想の女性ヨーコ(満島ひかり)と巡り合うが……。


愛のむきだし - goo 映画
愛のむきだし - goo 映画





<感想>

これも大変気になっていましたが、
何せ、上映時間、237分でしょ。
4時間でしょ。
もう1日仕事ですよ・・・。
なので本当にスケジュール空かないと行けないので、延び延びになってしまってました。
この週末は、観るべき映画はほとんど試写会で観ているのと、
シネコンはどこも同じようなラインナップばかりなので、
積極的にミニシアター系で溜まっている映画鑑賞をすることにしました。


とにかく前代未聞の長さ。
ブランジェリーナもオーストラリアもぶっ飛んでしまいますよ。
『アラビアのロレンス』並みですね。
ぶっ通し4時間なのかなあ・・・ と思ったら、途中で10分間休憩が入ります。
(入る場所は、びみょーな場面なんですがw)
疲れている時って、2時間くらいの映画でも5分くらい寝てしまうんです。
それで話がわからなくなることがままあるのですが、
これは4時間、全く寝ていません!
私にしてはすごく珍しい。
そのくらい、寝てる場合じゃなかったってこと。 この映画がね。


一言で言うと、「恋愛大河映画」??  なのかしら。
とにかくチャプターが5つもあるくらいですから、
人物の背景が幼少から描かれてます。
この映画を鑑賞して思ったのですが、本来、恋愛映画って、このくらい徹底的に人物を掘り下げて初めて納得できるくらい分かるものがあるんじゃないか、ってことです。
恋愛映画が同じような感じに見えてしまうのは、
徹底して掘り下げるだけの上映時間がいただけないからじゃないだろうか? ってことまで考えてしまった。
ここまで映画にできていれば十分彼らの気持ちも分かるというものです。




この映画のポイントってものすごいたくさんあるんだけど、
キャスト1人1人あげるしかないのかな。

まずはユウ役の西島隆弘くん。 女装の場面もあるんだけど本当に美しい(笑)
で、普通に考えると女の子のパンツの中なんてあんな風にしたって撮れっこないんですが(笑)、それでも撮れてるっていうのがすごい笑える。
たった1人のマリアを探して・・・。 
踏みつけられても食らいついていく彼の根性ってすごかった。
男性から見たら彼のような恋愛ってどうなんでしょうね。
男のロマンなんだろうなあ。。。






愛のむきだし ユウ
(C) 愛のむきだしフィルムパートナーズ






ヨーコ役の満島ひかりちゃん。
既に彼女の作品は『プライド』を今年は鑑賞済みで、
そのプロ根性も十分見せてもらってるけど、
今回もまたものすごいことを彼女はやってのけた。
だって・・・ww
もう観てください(笑
まあいろんなことに彼女は挑戦しています。ですけど私が最も感動したのは、
何と言っても、コリントの一節を延々とワンカットで述べるシーン。
あれはもう邦画史上に残る名場面になりそうです。
信じるものにはどんなことでもついていく、という一途なヨーコの性格そのものですね。
涙もよだれも垂らしながら彼女は全身でヨーコでした。





愛のむきだし ヨーコ
(C) 愛のむきだしフィルムパートナーズ






コイケ役の安藤サクラさん。
何と彼女、奥田瑛二&安藤和津ご夫妻の娘さんなんですね。
言われてみるとお母様にそっくりです。
どっかで観たなあ・・・ と思っていたら、昨日より公開の、
『罪とか罰とか』にグラビアアイドル役で出てるんですよね。
かなりありえないグラドルだなあ・・・ って思ってたんですが、
この映画のコイケもかなりありえない。 っていうか観ていて憎たらしいし。
こんな人、本当にどっかにいそうな気がするから。
こういう、癖のある役ができる女優さんってそうそういないだけに、
これからすごく化けそうな感じがします。


テツ役の渡部篤郎さん。
彼が目が据わるとちょっと不気味な感じがしているのは、この役によくマッチしていると思います。
結局いい加減なんだよねえ・・・。 人間なんて。
煩悩がそうそうなくなるわけはない。


そしてカオリ役の渡辺真起子さん。
彼女みたいな人が周囲に実際にいたら絶対に嫌だ(笑)。 自分はついていけないから。
ある意味カオリが最も「むきだし」なキャラなだけに、
その台風の目的な存在にみんなが狂わされちゃうっていうか・・・。 すごいね。 こういう人。 嫌って言っても寄ってくる(笑



5人5様の「むきだし」方があるわけです。
むきだしに生きる、って、何だろ??
私たちもみんな、むきだして生きている訳なんですけど、
本当に本当のむきだしで生きている人はかなり少ないでしょうね。
むきだして生きられるのって、幸せなんだろうなあ・・・ と思うんですが、
どっかでそれにブレーキかけてたり。
ですけど本当に離したくないものが現れた時、
何が何でも食らいついていくファイトとか根性とかがあって、
それを貫き通すことができたなら。。。
そういう生き方もあっていい。
そしてそれが愛なら、なんてすごくて素敵なんだろう。
観終わってそう感じました。


むきだせない仮面ではなくて、むきだしたあなたが、まさに好き。
いいなあ。
そんな風に生きている人ってどのくらいいるんだろ。





*******************************




今日の評価 : ★★★★☆




  













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Last updated  2009.03.01 22:01:07
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