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テーマ:映画館で観た映画(8573)
カテゴリ:洋画(ま行)
原題 : Nos enfants nous accuseront 監督 : ジャン=ポール・ジョー 鑑賞劇場 : TOHOシネマズ六本木ヒルズ フランス映画祭2009 公式サイトはこちら。 <Story> フランスでは年間76,000トンもの農薬が使われている。 子供たちの未来を脅かすこの現状を打開すべく、 バルジャック村の村長、エデュアール・ショーレは、全ての学校給食をオーガニックな食品にするという前例のない試みに挑戦する。 人々の健康よりも企業の利益を優先させたゆえに起こっている環境や食品、身体への影響を、 カメラが追っていくドキュメンタリー。 (渋谷・アップリンク他にて初夏公開予定) <感想> 4日間のフランス映画祭。 気がつくのが遅くって&予定もぎっしりなので、 最終日しか参加できませんでした。 ですけど2本観れたので、自分的にはまあよしとしましょうか。 1本目は社会派ドキュメンタリーです。 食の安全を描いた映画としては『いのちの食べかた』が最近では挙げられますし、 地球環境問題としては『不都合な真実』 『アース』などがあります。 その両方の要素を兼ね備えた内容。 冒頭の場面。 ユネスコの環境関連の会議。 学者さんがこんな質問を会場の人たちにしていました。 ガン・糖尿病・不妊症の3種類の病気について、 自身あるいは周辺に該当者がいる人に挙手させたあと、 「今まで1回でも挙手した人は再度挙手して下さい」と。 会場のほとんどの人が手を挙げていました。 それだけ現代人はほぼ、病気に遭遇している確率が高いと言えよう。 そして、その原因として最近、 遺伝でも内分泌でもないケース、すなわち環境だとする説も多くなっている。 人間が食物を通じたり、体内に取り入れる化学物質の影響です。 その現状を打破しようとしたかったのか、あるいはただ単に映画制作のためなのか。 監督がフランス・バルジャック村に、有機農業を打診した本当の理由というのが今一つ分かりにくかったのですが、 とにかく彼は村に試みを打診し、 そして村長はそれに共鳴し、村の農業従事者に協力を要請して、この映画ができたという訳です。 ですけど、せっかく有機栽培をしたところで、それが消費されなければ意味がない、ということで、 まずは身近な学校給食にオーガニック食材を使用しようということになりました。
これだけ食の品質崩壊が謳われている現代ですから、やはり自分たちが実際に食べるものに関して興味があるのはもちろんな話。 まして未来ある子どもたちが食べるものですから。 初めの方に、オーガニックになる前に食べている「普通の給食」の内容、添加物などがデータとなって私たちに提供されます。 それを読んでいると絶対に自分では避けたいものばかり。。。 缶詰やレトルトを使用したりしていた従来の給食を、オーガニック食品に切り替えて行くことで、調理法も工夫がなされて、子どもたちにも「食べる喜び」がもたらされていくのは、観ているこちらも嬉しくなる。 学校給食を変えようという試みは私が敬愛するシェフ、ジェイミー・オリヴァーがイギリスで実践しているだけに、この映画も非常に興味があった所です。 フランス映画祭は今回からトークショーを充実させる方針ということで、各映画の後に40分程度のトークがついている。 これは自分的には結構嬉しいものです。 今回のチケは1500円ですが、トークつきならまあギリギリ許せるお値段か。ですけどねえ・・・。 1000円くらいだと嬉しいんだけどな。 そしてこの映画のトークショーゲストはジャン=ポール・ジョー監督と、 中目黒のオーガニック野菜スイーツ専門店、「パティスリー・ポタジエ 」 のオーナーパティシエ、柿沢安耶さん。 食に関してこだわりがあるということでこのチョイスは、なかなか気が利いてます。 最近注目のお店ですもんね。野菜スイーツだもん。 日→仏、という通訳が入るので勢い時間が足りなさそう。 監督はこの映画を「情報を提供する映画」と位置付けています。人によって十分な情報が行きわたらない、あるいは多過ぎて選択できないので、提供する役割をこの映画に与えた、ということ。 確かにドキュメンタリーとしてはメッセージ色は非常に強い。 特に子どもたちが歌う歌の歌詞。その内容がすごい。一体誰が作ったんだろうって思います。 日本は今や世界で化学物質を使用する国の第2位になっているので、この映画を公開する価値は十分あるんでしょうね。 将来非難されない食卓を作りたい、子どもたちに毒に近いものを与えるのは嫌だ、という基本的な考えが、この映画を推し進めている。 いささか強烈なものはあるが、ここまでのフィルムを作り上げたこと自体が尊敬に値するものではないだろうか。
今日の評価 : ★★★
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