|
テーマ:映画館で観た映画(8570)
カテゴリ:洋画(あ行)
原題: AMADEUS: DIRECTOR'S CUT 監督 : ミロス・フォアマン 出演 : F・マーリー・エイブラハム 、 トム・ハルス 、 エリザベス・ベリッジ 、 サイモン・カロウ 、 ロイ・ドートリス 、 ジェフリー・ジョーンズ 、 ケネス・マクミラン TOHOシネマズ午前十時の映画祭『アマデウス』 ページはこちら。 <Story> 1823年、冷たい雪が降り積もるウィーンの街。一人の老人が自殺を図り、病院へと運ばれた。 老人の名はアントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)。 かつて、宮廷作曲家として王の寵愛を受け、音楽家としての尊敬を集めた人物だった。 年老いたサリエリを訪ねた若い神父・フォーグラー(リチャード・フランク)は、サリエリに告白を促す。 そしてサリエリは、彼が生涯心に持ち続けた、一人の天才作曲家・ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(トム・ハルス)への複雑な感情を語り始めるのだった。 アマデウス ディレクターズ・カット - goo 映画 <感想> いやー懐かしい映画ですよこれ。。。 実は学校の映画観賞会でこれを観たのを覚えてまして、それ以来。 3時間のディレクターズ・カットがあったんですね。 あらかじめキャストをネットで見てから行ったんですが、 何とその中に、今やSATCでときめくシンシア・ニクソンがいるじゃないですか!! 『セックス・アンド・ザ・シティ』はこちら。 『セックス・アンド・ザ・シティ2』はこちら。 何の役で出てるんだろう? と思ったら、サリエリに言われてモーツァルトの家に潜入するメイドのロール役でした。 若い!! でもちゃんとシンシアでしたね。 当時16~17歳くらいだったんじゃないでしょうか。 子役からご活躍なんですね。 しっかりとした演技でした。 改めて鑑賞してみる。 モーツァルトに対しての狂おしいくらいの嫉妬に囚われつつも、その才能に憧れ、永遠に手が届かないサリエリを演じるF・マーリー・エイブラハム、 そして破天荒で楽天的な天才を演じるトム・ハルスの2人の演技なんですよね。 この掛け合いに尽きます。 モーツァルトについて。 映画は、1781年、モーツァルトがザルツブルク大司教に解雇されるところから始まります。 彼自身の素行の悪さと、その才能を妬むサリエリらの策略によって仕事を妨害された結果(という説があります)、とにかくモーツァルトは経済的に困窮していたんだということがわかります。 本作のように、サリエリが彼を殺したというのは、あくまでもフィクションの域を出ませんが、 そう言いたくなってしまうくらいの出来事が実際にはあったのかもしれません。 事実「サリエリがモーツァルトを毒殺した」という噂に、サリエリは死ぬまで悩まされることになる訳ですから。 彼が演奏している場面に、彼の浮き沈みの様子がもっとも顕著に現れています。 最初、若いころの喝采をさらった日々。 そしてヨーゼフ2世の宮廷音楽家をしながら作ったオペラ、『フィガロの結婚』に見られる、脂の乗った時代。 そして父レオポルドの死を超えながらの『ドン・ジョヴァンニ』の鬼気迫る指揮。 晩年、大衆向けオペラでの、体調悪化の表情。。。 その時その時の彼の精神状態が手に取るようにわかる。 とりわけレクイエムをめぐるエピソードのなかで、自身の先が見えない状況や、亡き父の呪縛などと絡め、精神的肉体的に消耗してしまう様子が哀れでもある。 モーツァルトの妻・コンスタンツェは、カール・マリア・フォン・ウェーバーの従姉にあたり、音楽にも詳しいと思われるので、ここが少し強調されるとよかったような。。。。 本作ではあまりその部分がなく、単に可愛らしくて世間に少し疎い妻という印象しかないので。 (夫に無断で楽譜を持ち出し、サリエリ邸に行く様子などは恐らくフィクションだと思いますが。。) 悪妻ということですが、お金に執着があったところや、モーツァルトの葬儀をちゃんとしないなどのところでしょうか。 彼女についてはいろいろな話があるので、一概にどれが真実とは言い切れないようにも思います。 サリエリとの執着がいろいろと描かれますが、とりわけ素晴らしいと思ったのは、 レクイエムの作曲シーン。 頭の中で既に楽曲が完成した状態で出来上がるモーツァルトの天才ぶりを現すのには最適なシーンです。 楽曲の完成が早過ぎて、写譜が追いつかない、音楽がイメージできないほどだなんてちょっとカッコいいですよね。 サリエリが逆立ちしたって叶わないものをモーツァルトは持っている。 神が与えたもうた才能が、その死後までも輝き続け、 それを妬んで邪魔をし、追い払った自分には、その苦しみと、永遠に彼に追いつけないことへの屈辱だけが残される。 「凡庸なるものの守り神」という言葉をサリエリは使います。 それは、凡庸を背負わないといけない宿命であると痛切に感じた人間であれば、 心に深く刻み込まれる言葉かもしれません。 ********************************* 今日の評価 : ★★★★★ 5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[洋画(あ行)] カテゴリの最新記事
|