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テーマ:試写会で観た映画の感想(679)
カテゴリ:邦画(か行・さ行)
作 : 中島かずき 演出 : いのうえひでのり 出演 : 上川隆也 、 稲森いずみ 、 早乙女太一 、 橋本じゅん 、 高田聖子 、 粟根まこと 、 山内圭哉 、 山本亨 、 千葉哲也 、 堺雅人 試写会場 : 富士ソフト アキバシアター 公式サイトはこちら。 <Story> 遠い昔。 ようやくひとつの政権で統治され始めた島国・鳳来の国にまつわる物語。 無実の罪で監獄島に幽閉された伊達土門(上川隆也)。 10年の歳月が流れてもなお、濡れ衣を着せた者たちへの復讐を生きる糧にしている。 監獄島の奥深くに捕らえられていたサジと名乗る男(堺雅人)の力を得て脱獄、 復讐への道を着実に歩む土門の前に立ちはだかったのは、 かつて将来を誓った女・美古都(稲森いずみ)だった。 [ 2010年10月2日公開 ] ゲキ×シネ『蛮幽鬼』 - goo 映画 <感想> ハリウッドチャンネルさんで当選して行って来ました。 ありがとうございます。 ゲキ×シネは実は初めて。 いつも行こう、行きたいと思いつつも、上映館が少なくって、 しかも時間が長い・・・ ので、スケジュールが合わずいつも断念。 今回も、試写終映が22時過ぎ(!)なんで、それから帰宅かあと思ったら、 ちょっとどうしようか一瞬迷いましたが、これを逃すとまた見逃すと思い、 やっとこさ行きました。 アキバシアターは初めてでしたが、というより秋葉原駅に降りたのが2年ぶりくらいで、 全然場所わからん・・・ いろんな人に訊きまくってどうにかたどり着いたら開場後でした(苦笑) でもここは観やすいですね。 綺麗だし、いい会場です。 で、初めて観るゲキ×シネ。 いやー、すごい迫力。 役者さんたちの「汗」!!! ものすごい。 時代劇なんで衣装が重たいのもあるんでしょうけど。 「復讐」がテーマです。 「復讐してやる!」という気持ちは、人のモチベーションを上げることがままあります。 それが生きる目的となった、伊達土門。 彼の執念は生半可ではありませんでした。 平民の出ながら頭脳が明晰であり、また時流を読む能力にも長けており、 人の心をつかむのもうまい。 だから生まれ変わった人生でも人々が彼を支持する。 しかしながら、単に未来を築くために彼を支持しているものばかりではないこともまた確かなこと。 辻褄の合わないこと、愛する美古都を裏切ること、また美古都に裏切られたように思えること。 それらの仕掛け人は一体誰なのか。 そしてその理由は何なのか。 そこにもまた、復讐の根深い澱が潜んでいることを、観客は思い知らされる。 本当に見事な3時間強の舞台でした。 やっぱりゲストの4名の凄まじさですよね。 上川隆也さんの表情は、いつもの彼とは全く異なっていて、その衣装の迫力もあってか、 まさに神がかった雰囲気。 早乙女太一くんは初めてでしたが、まだ10代だし、殺陣も素晴らしく、体格もいいしイケメンだし(!)、これからが本当に楽しみです。 落ち着いた雰囲気も出せる、素敵な俳優さんですね。 稲森いずみさんは今回久しぶりに拝見しました。 彼女最近は映画じゃなくてドラマが多かったんですね。 昔、トレンディドラマに出てたイメージが強かったんですが、今回の迫力ある演技はお見事です。 「皆の者、聞け!!!」と叫ぶ彼女の姿は、本当に凛々しく、神々しかった。 『エリザベス:ゴールデン・エイジ』のケイト・ブランシェットを思い出しました。 誰かを頼る弱い女から、試練を経て、いつの間にかどんな困難にも立ち向かう女になって行きました。 そして堺雅人さんの微笑み。 これは、 「この世にいいことなんて何もないとわかった時の微笑み」なんですね。 何もいいことがない。 だから己の信念を貫く。 その決意を押し隠すように生き、敵の目をくらませるための微笑みなのでしょう。 何を想いながら微笑むのか。 その意味を知った時、彼の抱える闇の深さがわかると同時に、 人はかくも鋼のように固く冷酷な気持ちになれるものなのかと考えてしまいます。 争うことに何の意味があるのだろう。 そう思い、そして争いたくないと重々承知であっても、 人は争いを繰り返して歴史を重ねてきました。 復讐に生きることが、己の生きる意味。 では、復讐の意味とは何なのでしょうか。 そこに生まれるものは、絶え間ない憎しみだけであるとするならば、 どこかで誰かが犠牲にならないと断ち切ることはできないのか。 虚しさと、業の深さに浸った3時間でした。 ********************************* 今日の評価 : ★★★★★ 5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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