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テーマ:映画館で観た映画(8570)
カテゴリ:洋画(ま行)
原題: MICMACS A TIRE-LARIGOT/MICMACS 監督・脚本 : ジャン=ピエール・ジュネ 出演 : ダニー・ブーン 、 ドミニク・ピノン 、 アンドレ・デュソリエ 、 ニコラ・マリエ 、 ジャン=ピエール・マリエル 、 ヨランド・モロー 鑑賞劇場 : 109シネマズMM横浜 公式サイトはこちら。 <Story> ビデオ店に勤めるバジル(ダニー・ブーン)は、発砲事件に巻き込まれ一命は取り留めたものの、銃弾を頭の中に残したまま生きてゆく羽目になる。 入院中、仕事も住む部屋も失いホームレスとなるが、【ギロチン男】ことプラカール(ジャン=ピエール・マリエル)に拾われ廃品回収業を営む一団に加わることに。 ある日、頭の中の銃弾と、30年前に父の命を奪った地雷それぞれの製造・販売をする二つの巨大企業を突き止める。 バジルは仲間たちと知恵を絞って報復作戦を開始する。 ミックマック - goo 映画 <感想> 今年のフランス映画祭のオープニング作品でしたが、日程が合わず行けなくて、 一般公開ではぜひ行かなくてはと思ってました。 運よく109デイがあったんでここで鑑賞。 レイトでしたが7割くらい入ってました。 タイトルの「ミックマック」とは、フランス語で「混迷、紛糾、陰謀、悪巧み」等の意味だそうで、 その通りの展開となっている。 「自分の父の命を奪い、そして自分にダメージを与えた会社に報復する」って言うこと自体は、普通に考えたらない展開なのでこれは確実にファンタジーなんですが、 それを大真面目&コミカルに実現させてしまうところが可笑しい。 映像だけ観ていると、雑多なものや、殺伐としたものも扱っているはずなのに何故か美しく処理されている。 例えば何の変哲もない町並みであったり、廃品でできた家の内部であったり、 そういったものでさえも、この監督の手にかかると何故か綺麗なものに見えてきてしまうのが不思議。 そして、復讐劇なのに、人があまり傷つかないところも計算されたものでしょう。 (全く傷つかない訳じゃないんだけど、それは彼らの復讐のせいじゃないから) この「安心した感覚」が、映画をファンタジックに見せている要因です。 これを真面目にやってしまったら、ほぼアクション映画で不興を買いかねないところですが(笑)、作り方でこんなにも愛するべき作品に仕上がるんだと感じます。 ただ単にファンタジックな映像だけではなく、内容には、利益に走る武器商人に対してのアイロニーも含まれている。 社会的な風刺をコメディにうまく反映させています。 これはバジルのロマンなんでしょうね。 そしてそれに協力する仲間たちも何故かほっこりとしていて、微笑んでしまう愛嬌がある。 日頃感じている不条理はみんなにある。 それに対して鬱憤を晴らす機会があるならば、そうしたいと思う気持ちは共感を得るだろう。 懲らしめることは必要だけど、その復讐は別に残酷なものでなくてもいい。 それがユーモラスにできれば、スマートなんじゃないか。 そういう「さじ加減」をうまく現した作品ではないでしょうか。 俳優陣では、今公開中の『セラフィーヌの庭』に出演のヨランド・モロー、彼女もここで別の魅力を出しています。 一見がさつですがあったかいおかみさん? のような立ち位置。 うまいですね。 今日の評価 : ★★★★ 4/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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