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テーマ:映画館で観た映画(8570)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: HERB & DOROTHY 監督 : 佐々木芽生 出演 : クリスト&ジャンヌ=クロード 、 リチャード・タトル 、 チャック・クロース 、 ロバート・マンゴールド 鑑賞劇場 : シアターイメージフォーラム 公式サイトはこちら。 <Story> マンハッタンの質素なアパートに暮らすヴォーゲル夫妻は、日々美術展を巡り、気に入った作品を愛で、熱心にアーティストと語らう。 家に帰れば1LDKの間取りを所狭しと埋め尽くした4000点ものアートの数々が待っていた。 元郵便局員のハーブと元図書館司書のドロシーが、 慎ましい生活を送りながら40年の歳月をかけて買い集めた現代アートの膨大で貴重なコレクションは、国立美術館に寄贈されることになる。 ハーブ&ドロシー?-?goo?映画 <感想> この映画、art-Link 上野-谷中 2010の時にも上映プログラムがあったの。 アートリンクがバックアップ&宣伝もしていました。 でも時間が合わなくてここでは鑑賞できなかったので、 イメフォにて。 すごい混雑してましたよ。。。 この作品。 評判いいんでしょうね。 そんなわけで観始めて、 やっぱりこれ好きです。 こういう作品。 とにかく、この夫妻の生き方が素敵。 つましい、身の丈に合った暮らしの中で、自分たちの好きなように暮らす生活。 いいなあ。。。 本当に無理せず。肩の力を抜いて、 ですがアートに対しての審美眼だけは一切妥協しない2人。 ・自分たちのお給料で買える値段 ・アパートに入る大きさ 彼らがアートを購入する根拠はそれだけ。 あとは、気に入ったものを買う。 彼らがアートを気に入るとき、それは、単にその作品だけじゃなく、 アーティストたちのバックグラウンドまで見ていく。 その方法がすごく好きです。 自分も、好きな映画に出会った時は、 その映画のバックグラウンドなどを調べたくなりますし、その監督の他の作品も観たくなったり、 俳優さんたちのキャリアなんかも調べたくなったり・・・ いろいろ、知りたくなるんです。 だから彼らの買い方がすごく好き。 そのアーティストさんご本人とも親交を深めていくんです。 彼ら、夫婦仲が良いのですね。 きっと。 お互いに尊重して寄り添い、無理なく過ごす生き方。 憧れますね。 売れてない時代の駆け出しのアーティストさんにとっては、 作品を買ってくれる方、ましてや、 自分のキャリアにまで関心を持ち、心から知りたいという姿勢でいてくれる方というのは、 たぶん「神様」のように見えるんじゃないでしょうか。 実際にお金に困っている方だったら尚更です。 インタビューでも、「買ってくれたことが有難かった」という証言がかなりありましたし。 そして、その後も彼らと交流を持ち続ける人たちの多いこと・・・ ハーブ&ドロシー夫妻は、人を虜にする魅力があるんですよね。 もっと芸術のことを話してみたい、そうでないと週に1回のテレフォンタイムなんてないと思います。 アートと聞くと、投機や転売の対象として買いあさるイメージが先行していたので、 こうして私利私欲に走らずに、純粋にコレクターとして存在する人も いるんだ・・ というのが素直な感想です。 ハーブ&ドロシー夫妻には、邪念がないのですね。 コレクションの行く末まで決めている。 それも、社会に還元できるような方法を考えているのがとても好感持てます。 いつだったか「俺が死んだらゴッホとルノアールの絵も一緒に荼毘に伏してくれ」とのたまい、 世界中から批判された日本の企業家(企業屋? 笑)がいましたね。 そういう、金に取り憑かれて醜態を晒している人たちに見習ってほしいです。 アート=金、しか考えない人たちが、アートを荒らす行為は、 見ている方が不愉快。 しかしながらそういう輩が跋扈している世の中です。 そのなかにあって、如何に「アート通」を気取る人々が非難しようとも、 ハーブ&ドロシー夫妻の信念は揺らぐことはなく、 そして、本当にアートを愛する人たちに受け入れられていくでしょう。 真実は受け継がれるのですから。 佐々木監督(監督が日本人っていうところにも親近感を覚えます)が、 彼らのコレクションの後日談として、続編の映画「Vogel 50×50」を制作しているとのこと。 こちらも楽しみです。 いつまでも長生きしていただきたい、素敵なご夫妻でした。 今日の評価 : ★★★★★ 5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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