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テーマ:映画館で観た映画(8566)
カテゴリ:韓国映画
原題: A BRAND NEW LIFE 監督・脚本 : ウニー・ルコント 出演 : キム・セロン 、 パク・ドヨン 、 コ・アソン 、 パク・ミョンシン 、 ソル・ギョング 鑑賞劇場 : 岩波ホール 公式サイトはこちら。 <Story> 1975年、ソウル近郊。 9歳のジニ(キム・セロン)は状況もわからないまま父親に連れられて、カトリックの児童養護施設に預けられる。 父(ソル・ギョング)のもとに帰りたいと願うジニは、院内の人々に反発を繰り返し、脱走も試みる。 そんなジニを気にかけるのは年上のスッキ(パク・ドヨン)だった。 2人は庭で傷ついた小鳥の世話を始める。 スッキはアメリカや遠い国への憧れをジニに語り、一緒に外国へ行こうと誘う。 かたくなだったジニの心も、少しずつ和らいでいくが…。 冬の小鳥?-?goo?映画 <感想> 前売り券を持っていたのに、いろいろと忙しく、 岩波ホールはロングランだからいつでも行ける・・・ と思っていたらもう終わりなんですね。 慌てて駆け込み鑑賞です。 これはほぼウニー・ルコント監督の自伝のようです。 監督自身がこの体験をして、実際に渡仏しています。 そこで幸せになれたから、今があるし、この映画を作ることにもなったのでしょうね。 この作品の1番の魅力は何と言っても主演のキム・セロンちゃん。 撮影開始2週間前に決まった主役の彼女、他メディアで演技はしているものの、 映画は本作が初めて。 黙っていても、どこか周りを惹きつける存在感は抜群でした。 そして透明感があるんですね。 2000年生まれだから現在10歳ですが、幼いながらにも自分の立ち位置をよくわかっている、 勘のいい子役さん。 成長したら韓国美人のいいところを取った感じの顔立ちになりそうです。 親に捨てられる子は韓国では多いのかどうかわかりませんが、 キリスト教が根付いている国ですから、日本よりは養子制度がしっかりしているのかもしれません。 児童養護施設というと、日本では施設内の虐待やいじめといったマイナスイメージが 大きいですが、この映画の中の施設では、事情があって養育できない家庭が、子どもを連れてきて、 しかるべき人のところに貰われて幸せになってほしいという目的があって、 運営されているような気がします。 それでも親に捨てられるということはもちろん大変な衝撃で、 ジニもそのことに絶望していきます。 こんなことを子どもが感じないといけないのは観ていて辛い。 ようやくその環境をジニが受け入れようと思えたのは、やはりスッキのせいでしょう。 ですけど、人は自分が幸せになりたいという気持ちが根底にあり、 それが人の幸せを願う気持ちよりもどうしても優先になる。 そうして裏切られてきたジニだから、父を恋しいと思いながら生きてきたけど、 スッキとの出来事や、寮母さんの様子などを垣間見て、 自分の心をいったん「葬り去った」のかもしれません。 あの儀式によって、彼女はそれまでの優しいだけの自分に区切りをつけて、 自分がどっちに行かないといけないのかを悟ったのでしょう。 施設から去っていく時に、残る人たちが歌う歌。 あの歌を歌っている時のみんなの胸中には一体何があるのでしょうか。 ただ単に、別れを惜しんではいなさそうです。 歌詞とは全く裏腹に、心にもないことを考えている子もいるだろうし、 去っていく方は去っていく方で、名残惜しいなどとはこれっぽっちも思わないでしょう。 その門を出て、どんな人生が待っているかはそれぞれですが、 幸せになれたからこそ、こうして振り返ることができるのではないでしょうか。 ルコント監督は、自伝でこれだけ出しきってしまった分、 次回作はどうなるのでしょう。 と思わなくもないですが、 それほど何もかもが自然だったように思いました。 今日の評価 : ★★★★ 4/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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