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びー。@ Re:久しぶりぃ〜(09/01) おかえりなさいませ? なんか違うな。別荘…
みえこ55@ Re:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) お久しぶりです〜^o^ ブログにコメントを…
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kaoritaly@ Re:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) ご無沙汰してます。 ベスト10の映画、…
rose_chocolat@ Re[1]:2015年my映画ランキング:元気にしています(01/02) みえこ55さん こちらこそレス遅くなりす…
2010.12.12
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原題: NORWEGIAN WOOD

原作 : 村上春樹

監督・脚本 : トラン・アン・ユン

出演 : 松山ケンイチ 、 菊地凛子 、 水原希子 、 高良健吾 、 玉山鉄二 、 霧島れいか 、 柄本時生 、 初音映莉子

(TOHOシネマズ1か月フリーパス鑑賞 7本目)

公式サイトはこちら。


<Story>


親友・キズキを自殺で失ったワタナべは、東京で大学生活を送り始める。
ある日、ワタナベは偶然にキズキの恋人だった直子と出会い、毎週直子と東京の街を散歩するようになる。
直子の20歳の誕生日、精神的に不安定になった直子と夜を共にする。
それ以来、ワタナベは直子と連絡がとれなくなってしまう。

さらに喪失感が深まり心を病んだ直子は、京都の療養施設に入所していたのだ。
直子に会いたくても会えない状況の中で、ワタナベは大学で出会った不思議な魅力を持つ女の子・緑にも惹かれていく。



<感想>

原作は発表当時に読んでいます。
そして、長らく読んでなかったんですが(笑)、この度また読み返し、映画に臨んでいます。
映画鑑賞後に思ったことは、
これは原作を未読か既読か、
あるいは読んでるなら、好きか普通か嫌いかによって
大きく感想は分かれるだろうなということです。




今日の感想は断片的にネタばれの可能性ありますので、
読む方はそこを承知の上でお願いしますね。










この映画の前哨戦として、トラン・アン・ユン監督の
『青いパパイヤの香り』を鑑賞しています。
彼は質感で見せる作風なんだなとその時は感じましたが、
まさに本作もその通りでした。
例えば人の体温だとか、肌に流れる汗や涙、 そういった「体温」を感じさせる映像です。
これが大きなスクリーンを通じてもこちらに伝わってくる。


そして多くの方が仰せですが、カメラワーク、ロケーションの素晴らしさですね。
兵庫県の砥峰高原というところ、よく見つけたなと思います。
一面見渡す限り草原、そこには四季折々の風景が展開されていて。
春は緑のうねりの中で、
夏は草いきれと汗にまみれながら、
秋は風と共に肩を寄せ合い、
冬は荒涼として広がる雪景色の中で、
たった1年しか見なかった風景の中で、ワタナベと直子は お互いの距離を考えていきます。
この状況にはこの場所しかない、なかった。 そう思います。


しかもここはただの高原ではなく、トラン・アン・ユン監督をして、
「官能的」と言わしめたとか。
そう、この映画では何と言っても官能がないと話にならないのです。
官能と自然の融合を映像で表現することは実に難しいことです。 しかもこの作品は
観客動員が至上課題でもある。 そこを考える時、この映画を
トラン・アン・ユン監督でというのは、誠に正解でした。




本作の中で印象に残った人物と考えると、
まず、緑ですね。 
水原希子さん、彼女の透明感というのがこの映画には必要でした。
演技が未経験だとは思えないくらい、この役にはぴったり。
「待っているわ」と雪の中で言った時、
「どこにいるの?」とワタナベに問いかけた時、
その内にある緑の想いも、きちんとこちらに伝わるものがありました。


そして、この映画で一番秀逸だと感じたのは、
ワタナベ、永沢とハツミの3人の会食シーンです。
この照明の感じも、間接照明がすごく効果的で、
ハツミが静かに怒りを募らせていく部分にぴったりでした。
どうしようもないと思いながらも、それでも永沢のことが好き、忘れられない、
そんな報われない自分が無意味に感じてしまう。
複雑な心境をよく演じていたと思います。


ワタナベ、キズキ、直子はどうしても最初は高校生には見えなかった。
男性陣はガッチリしてたし、
やっぱりイメージ先行してしまってね。
特に直子の女子高生は無理っぽかったかな・・・ 『バベル』の時は大丈夫だったんだけど。
キズキは、小説でもあまり多くが語られていなかったので、出番がないのは
致し方なかったですね。
ワタナベ、直子は、それぞれの役割を意識して頑張っていたと思います。
どうしたって原作と比較されていろいろと言われるのはわかっていたと思うし。
どうしても直子役をやりたかったという希望の凛子さんの熱意は伝わります。







この上下巻2冊のエピソードを、2時間~2時間半の尺で余すところなく入れるというのは
絶対に不可能なので、どこかを切らないといけなかったけど、
そこは苦労されただろうし、工夫もされてました。
セリフ使わないで、映像と音楽で処理できる部分はそうしたりね。
そういうのはトラン・アン・ユン監督はお得意だと思います。


ただ、「あー、これがあったらな」って所がカットになっていたのは
もったいないです。
例えば(ネタばれ、反転します)
突撃隊のエピソード」とか
直子の葬式をレイコとワタナベがするシーン」、
レイコさんの過去」とかね。
特に「レイコさんの過去」はちゃんと言ってほしかった。
少し長くなってもいいから、これちゃんと説明した方が、原作未読の人にはわかりやすかっただろうし、
彼女もまた、深い喪失感に囚われていたんだってことがわかったと思うんだけどね。


そして、直子の一番肝心な本質を表すセリフが抜けてました。

「私はもう誰にも私の中に入ってほしくないだけなの

これがあるかないかで、彼女の心情の理解の仕方が
全然違っただけに、
あの場面はワタナベと揉めるだけにはしないでほしかったですが・・・。



ともかく、この原作をこの尺に収めること、この難行を成し遂げたことに関しては、
評価されていいと思います。
原作をそのまま全部持ち込むことは不可能ですので、
どこかはカットになる。 それを差し引いたとしても、
伝えたかったこと、「深く愛すること」は、
ちゃんと届いていたように思いました。
パスポート期間中なので、あと何回か見てみたいです。







今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点



  

  












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Last updated  2010.12.14 21:10:51
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