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テーマ:映画館で観た映画(8512)
カテゴリ:洋画(か行)
原題: Mrs Palfrey at the Claremont 監督: ダン・アイアランド 出演: ジョーン・プロウライト 、ルパート・フレンド 、アンナ・マッシー 、 ロバート・ラング 、ゾーイ・タッパー 鑑賞劇場 : 岩波ホール 公式サイトはこちら。 岩波ホールでかかる作品をどうしても見逃しがちな自分ですが、 頑張って行って来ました。 つい最近鑑賞した、『わたしの可愛い人―シェリ』のルパートくんというのも気になり。 これ2005年の作品ですから、かなり前のもの。 よく日本公開されたなあと思います。 原作は、エリザベス・テイラー(アノ方じゃなくてちゃんとした作家さんです)の小説。 日本公開もあった『エンジェル』(→未見です)の原作者でもあります。 そして本作の主役のジョーン・プロウライトは、サー・ローレンス・オリヴィエ夫人でもあるんですね。 最初、サラ・パルフリーがクレアモントホテルにやってくるのですが、 ここって単なるホテル? 老人ホーム?って思うくらい、 滑稽な奇妙な人たちでいっぱいなんですよね。 齢取ってこんな環境に入ることになったら、私はすっごーく 嫌だなー。 プライバシーがない環境なんて耐えられないよ。 人のことを根掘り葉掘り聞き出す人、人のことが気になって気になってしょうがない人、 どっちも友達になりたくないし(笑) でも齢を取ると、暇だから、他人のことが気になるんだろうね。 そんな年寄りにはなりたくないけど。 サラ・パルフリーは、初めはそんなクレアモントホテルの「住人」たちに違和感を感じつつも、適当に合わせているけど、 絶対そんなの嫌だと思う。 サラだけここの住人と明らかに違います。 何故なら彼女には品があるから。 そして知り合ったルードもこれまた、貧しいけれども品格がある。 ルードにとってサラは、通りすがりの老婦人のはずが、 いつの間にか彼女から人生のエッセンスについて教わることが楽しくて仕方がなくなって行ったのではないだろうか。 ずっとつつましく、だけど意欲的に生きてきたサラは、 人生においては成功者の部類に入るのだろう。 なぜなら老後をホテルで暮らせるほどの資金もある訳ですし。 そんなサラが人生で会得したことの数々。 それは、作家志望の若者にとっても十分な材料になると共に、 サラと話していると豊かな気持ちになれた。 だから、彼女のお願いも聞いてあげる気になったのだと思う。 「遠くの親戚よりも近くの他人」をまさに地で行く2人だけど、 サラにとってルードの存在も非常に頼もしかったに違いない。 当てにならない冷酷な娘と孫を待ちくたびれたサラには、困った時に頼れるルードは、 それはそれは心強かったでしょうね。 ルードたち若者の姿を眺めながら、自分があるいてきた人生の道のりを振り返るサラの胸中には、去来するものがあったと思います。 本当なら無関心で通り過ぎてしまう人たちを、不躾なまでのおせっかいさで結びつけてしまったクレアモントホテル。 実際こんなところはないだろうなーと思いつつも、心のつながりが生まれていく過程は温かいものがありました。 これもファンタジーですよね。 今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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