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テーマ:映画館で観た映画(8512)
カテゴリ:洋画(か行)
原題: KRAMER VS. KRAMER 監督 ロバート・ベントン 出演 ダスティン・ホフマン 、 メリル・ストリープ 、 ジャスティン・ヘンリー 、 ジェーン・アレキサンダー 、ジョージ・コー 第2回午前十時の映画祭:赤の50本 『クレイマー、クレイマー』ページはこちら。 昨年度見逃してしまったんですよねーこれ。 毎週毎週、規則正しく朝の10時に映画館に行くというのもなかなか難しくて。 今年は2年分あるので大忙しになりそうです。 青はまた追いかけられるし、最悪みゆき座で観ればいいかっていうのがあるけど、 もう赤は逃したらほぼ無理なので、こちらも追いかけないといけないでしょう?(笑) 結構ハードかも。 本作、私が子どものころの作品なんでもちろん劇場で観ることもなく、 何回かTVでは流して観ているんだけど、 ちゃんと劇場鑑賞できるんならそうしたいとも思っていたので、早速行って来ました。 第52回アカデミー賞の目玉となったこの作品。 制作された1979年当時は、アメリカでは「離婚問題が深刻化し、結婚した二組に一組が離婚するまでに」なっていたそうで、その問題を取り上げた本作はタイムリーであったでしょうし、 また離婚問題がつきつける現実にも正面から取り組んでいることから、多くの共感を呼んだものと思われます。 とりわけ、離婚での裁判のシーン、両親に対してのビリーの言葉やしぐさ、 それらはみな、離婚によって一体どのくらいのひずみが生じ、またそれを乗り越えていこうとするのかを表しているようにも感じます。 しかしながら本作はやっぱり30余年前の観念なんだろうなと思わせる部分も 正直あります。 観ていてこの作品にすごく共感した訳じゃなかったな・・・ と思った理由がジョアンナの結論で、 今だったら、「ビリーの家はここだから」などとしおらしく引き下がることは 絶対にしないと思うんだよね。 とことん闘うだろうし、また彼女に親権がいくと思います。 それを引かせたのは一重に当時の社会事情というか、 まだまだこの映画が男性目線で作られていることの証拠かもしれません。 原題をよく読むと"Kramer vs. Kramer"ですので、夫妻の戦いを意味している訳ですけど、 その割にはずいぶんあっさりと幕引きしてしまったなあという印象です。 しかも勝ったのに。 怪我のことを持ちだすとは思わなかった、とジョアンナは言ってますけど、 裁判なんだからそれは当然だよね? 勝たないと報酬も少ないし。 今見るとこの裁判のシーンなどもずいぶん柔らかい印象があります。 そしてやっぱりあのフレンチ・トーストのシーンは面白い。 ビリーくんも可愛いですね。 しかし涙が出なかったのは何でだろう? と自分に問いかけてしまいました。 それにしても、男親が、忙しい仕事の合間に不慣れな子育てをして、 一生懸命子どもに言い聞かせてコミュニケーションを取っても、 セントラルパークで、母親が目の前に現れた瞬間にビリーが取った行動。 あれは世の男親をがっかりさせますよね(笑) 母は強し。 なので、その「強い母」に対抗すべく、あのラストにしたんじゃないかなっていうのも考えられます。 一貫して、テッド目線では描かれてはいますけど、ジョアンナの心情というのは会話や裁判の説明などで、断片的にしかわからない。 30年前はそれでもいいっちゃいいのかもしれないけどね。 1979年制作ですから、今から32年前のお話です。 この映画が当時各賞を受賞しても、絶賛こそあれ、あまり批判の声が聞こえなかったのも不思議。 撮影当時、ダスティン・ホフマンも離婚協議の真っ最中だったというのが何とも皮肉だし。 このことが脚本に影響を与えたのかどうかは知りませんけど。 これを見ながら思ったことは、例え30年前の現象であったとしても、 女親が子供を引き取ってきちんと暮らしていけるだけの素地がアメリカにはあるということ。 日本にもあるといえばありますが、それができるのはごく少数の、安定した職を持った女性たちのみでしょう。 基本的に日本は「女性が1人で人生を生きる」ことに対しての選択肢を与えていないように 感じます。 その意味では日本はまだアメリカの30年前の水準にも達していないということなのでしょうね。 今日の評価 : ★★★★ 4/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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