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テーマ:試写会で観た映画の感想(680)
カテゴリ:洋画(は行)
原題: HEREAFTER 監督: クリント・イーストウッド 出演: マット・デイモン 、セシル・ド・フランス 、フランキー・マクラレン 、 ジョージ・マクラレン 、 ジェイ・モーア 試写会場:ニッショーホール 公式サイトはこちら。 (以下、ネタばれにはしてないつもりですが、わかってしまうかもしれませんので、 鑑賞予定の方は、鑑賞後にお読みになった方がよいかもしれません。あしからず。) イーストウッド作品で鑑賞済みなのは、 『チェンジリング』 『グラン・トリノ』 『インビクタス』です。 空白期間が長いのであんまり本数観てないんですけど。 それらと比較すると、やっぱり本作、薄めかもしれません。 全面的には社会派映画という感じじゃない内容ですのでね。 「人は死んだらどうなるのか」 「死んだ人と交流ができるのか」 がテーマ、3人の登場人物のエピソードがクロスする。 まさに原題に "HEREAFTER"、「来世」とあるのですが、 私は霊的なものは否定しません。 なので、この映画で描かれている世界も「あり」かなとは思っています。 ただし世の中には、霊的なことを商売にしている人も多いし、その大半がまやかし(でしょうね)だから、 ジョージのように控えめで真実を告げる人がいてもいいと思う。 本当に、邪念や私利私欲がなく、相手のためを思って時には叱咤激励するような言葉なら、 私も訊いてみたいと思うし。 ジョージの場合は、自分が利用されることを望んではいないし、また積極的に自分を利用したいとも思っていない。 彼は自分が人のことが分かり過ぎるのが辛い。 わかってしまうと、その人との関係がその後は変わってしまうだろうし、 また、興味本位で訊いてくる相手に真実を告げたところで、反応は様々だから、 一概に感謝されるばかりでその後を過ごすこともないかもしれない。 ましてや、愛した人のことが分かり過ぎてしまうのも場合によりけりで、 知ってしまったがために関係が壊れることもたくさんある訳ですし。 なのでジョージの選択は、ある意味必然だったと言えましょう。 「自分が相手を知ることが苦痛にならない関係・環境」を探していたのですから。 そしてそこに、津波で九死に一生を得たマリーと、 双子の兄を亡くしたマーカスの人生が交差して行きます。 マリーは津波での臨死体験をずっと心に抱えていて、 それが理解されないということに深く悩んでもいるし、また分かち合える人がいてほしいと望んでいる。 マーカスも、大事な兄を失った悲しみに浸っており、 また兄に依存してきたことに気が付いていなかった。 彼もまた、自分がとらわれている場所から動けなかったのだろう。 霊視によって人生が交差するというのもわかるのですが、 その仲介が「大切な人を亡くした悲しみ」であるとするならば、 それがマーカスでなくてはならない理由付けが少々弱いように感じました。 彼以外にもたくさんその人物は出てきましたし。 その理由として「私利私欲がない」ということなら、何となくわからなくもないのですけど。 ずっとわかりあえる人がいないまま、あるいはその想いを抱え続けたまま 生きていくということも、なかなか辛いことでしょう。 その意味で、自分がまっすぐに生きていける場所を探したかったのかもしれません。 自分の心の置き所が、ジョージもマリーもマーカスも 欲しかったんでしょうね。 そのために1度、精神的に生まれ変わって、 あたかも「来世」に生きながらにして行く心地にしていったのでしょう。 こんな感じですが、私は個人的には非常にうなずける部分があったので 好きです。 ただし、テーマ的に非常に個人の振れ幅は大きいので、 絶対的にどうのこうのとは言えないでしょうし、 無理な人は全くダメかもしれません。 (スピルバーグが製作総指揮に入ってて、その影響かもしれませんけど・・・) ファンタジーでありながらも、ウェイトとしては少なめですが、 社会に対しての批判もありました。 安心して観れるとは思いますし、トーンも落ち付いていて私は好きなんですが、 果たして万人がそう思うかは何とも言えないと思いました。 今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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